「認知症行方不明者を守る」ひらめき
認知症の徘徊は、転倒・転落などの二次被害が怖い!
11月20日のクローズアップ現代(NHK)「認知症行方不明者 1万8000人の衝撃」で報道、12月9日の報道特集(JNN/TBS)「認知症患者の転落を防げ」で報道され、認知症徘徊の行方不明者の実態が明らかにされました。
全ての人は毎年歳を重ねて行くので高齢者は増えていく、一方で人口を増やしていく政策がおろそかになれば出生数は下がり少子化に、年齢構成比率はそれを示しています。高齢化の進展とともに介護体制の課題もありますが憂慮すべきは認知症を発症する患者数が増加することです。
認知症有病率が増えると徘徊する方が増えることが想定できます。
認知症の発症初期、自身の行動が周囲とのズレを感じ始め、「そうじゃないでしょ」とか「それはやめて」など周りから否定的な言葉が続くと、自尊心が高いので”自分で行動しないと”と考え、思い立っての行動が始まります。
思い立ってのお出かけ行動が突然徘徊に変わります。「そうだ、やらなきゃいけない」とご本人は目的を持ってのお出かけです。身体は健康で脚はまだまだお元気なのでふらついて歩いている訳ではなくスタスタ歩いて移動速度が想定よりも早く、姿を消して2-3分もすると見えない範囲に移動してしまう事があり、施設の複数のスタッフで探してもすぐ保護するのは難しいとのことです、在宅介護のケースでは、更に大変で、本人が寝ている時以外は常に見える所にいて欲しいのですが、洗濯物を干している間に居なくなってしまったとの報告もあります。
スタスタと歩き始めた所でご近所さんとかに出会って保護されれば良いのですが、結果、歩き回る事になりますので、当然に疲労がたまってきますから立ち止まりあちこち見回したり、座り込んだりして、徘徊らしき動きになるので、ここで誰かに保護されると良いのですが、体力が落ちていて前方に集中するあまり足元に注意が薄れて、転倒したり側溝に落ちたり、時間帯によって夏は熱中症、冬は低体温症など死に至るケースもあります、二次的被害です。
認知症行方不明者で最も心配な事は二次的被害
ご本人が無心に目標に向かう活動的な初期の時間帯が要注意です、車の往来の激しい通りを歩いたり、バスに乗ったり、電車で行ったことのある孫の家に線路を歩けば行けると踏切に入り込んだり、二次的な被害が起こる時です。姿が消えてから動き回り疲れて休むまでの活動的な15〜30分程が危険な時間帯(魔の30分)と考えられます。
ここまで数値や実態が見えてくると、家族や行政の担当者でなくとも、なんとかしたいと思います。私はデジタル人間なので直ぐにGPS技術を利用した位置検知システムを”ひらめき”ました、私でなくとも普段スマホを使う方々であれば殆どの人が「GPSでやれば」を”ひらめく”と思います。
「GPSでやれば」と思ったあと、どう進めるかを思考するには、一定の知見が必要になりますが、利用しているシーンを想像すると見えてきます。
現在発売されているGPS端末は、徘徊を意図して開発された訳でなく、配送車両の現在位置、荷物自身の現在地、高級レンタカーの現在位置、キャンプで行方不明になった事件を機にスマホを持たない家族の位置検知など、スマホのマップ機能と連携する事で様々な位置情報の取得に使われていて、ある意味、認知症徘徊への流用的商品です。
クロ現、報道特集ともにGPS端末には懐疑的な構成でした、NHKの取材では靴に取り付けたGPS端末は5分間隔の位置情報取得でマップに指示された位置に行くと既に居ない状態が続き結果保護までに2時間を要した。TBSの取材解説者はGPS搭載靴は履くとは限らないなど効果には懐疑的で「複数の自治体ではGPS端末の提供を中止した」としていました。
認知症徘徊の方の位置情報機器が必要
魔の30分を考えると、”認知症行方不明者の命を守る為に” やっぱり認知症徘徊行動に適合した位置情報機器が必要だとの思いに至り、再び思考します、一歩進めるには徘徊への更なる知見が必要なので、介護の現場、多くの情報が集まる介護包括センター、介護福祉行政担当者、認知症を研究する先生にもお会いしてきました。
すると、端末機の開発エンジニアとは全く異なった、端末の性能限界や製造コストなどを無視した認知症の本人とそのご家族のことを真っ先に考えた、機能や要望を聞くことが出来ました。
そこで作りあげたのモノは・・・
そして、ひらめきを具現化した方法は?
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