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「認知症行方不明者を守る」ひらめき

認知症の徘徊は、転倒・転落などの二次被害が怖い!
11月20日のクローズアップ現代(NHK)「認知症行方不明者 1万8000人の衝撃」で報道、12月9日の報道特集(JNN/TBS)「認知症患者の転落を防げ」で報道され、認知症徘徊の行方不明者の実態が明らかにされました。

国民の10人に1人が80歳の時代に突入し高齢化社会
我が国の総人口(2022年9月15日現在推計)は、前年に比べ82万人減少している一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます)人口は、3627万人と、前年(3621万人)に比べ6万人増加し過去最多となり80歳以上人口は1235万人(同9.9%)で国民の10人に1人になる。

全ての人は毎年歳を重ねて行くので高齢者は増えていく、一方で人口を増やしていく政策がおろそかになれば出生数は下がり少子化に、年齢構成比率はそれを示しています。高齢化の進展とともに介護体制の課題もありますが憂慮すべきは認知症を発症する患者数が増加することです。

「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されています。

認知症有病率が増えると徘徊する方が増えることが想定できます。
認知症の発症初期、自身の行動が周囲とのズレを感じ始め、「そうじゃないでしょ」とか「それはやめて」など周りから否定的な言葉が続くと、自尊心が高いので”自分で行動しないと”と考え、思い立っての行動が始まります。

思い立ってのお出かけ行動が突然徘徊に変わります。「そうだ、やらなきゃいけない」とご本人は目的を持ってのお出かけです。発症当初、身体は健康で脚はまだまだお元気なのでふらついて歩いている訳ではなくスタスタ歩いて移動速度が想定よりも早く、姿を消して2-3分もすると見えない範囲に移動してしまう事があり、施設の複数のスタッフで探してもすぐ保護するのは難しいとのことです、在宅介護のケースでは、更に大変で、本人が寝ている時以外は常に見える所にいて欲しいのですが、洗濯物を干している間に居なくなってしまったとの報告もあります。

認知症の発症数の推定

スタスタと歩き始めた所でご近所さんとかに出会って保護されれば良いのですが、結果、歩き回る事になりますので、当然に疲労がたまってきますから立ち止まりあちこち見回したり、座り込んだりして、徘徊らしき動きになるので、ここで誰かに保護されると良いのですが、体力が落ちていて前方に集中するあまり足元に注意が薄れて、転倒したり側溝に落ちたり、時間帯によって夏は熱中症、冬は低体温症など死に至るケースもあります、二次的被害です。

認知症行方不明者で最も心配な事は二次的被害
ご本人が無心に目標に向かう活動的な初期の時間帯が要注意です、車の往来の激しい通りを歩いたり、バスに乗ったり、電車で行ったことのある孫の家に線路を歩けば行けると踏切に入り込んだり、二次的な被害が起こる時です。姿が消えてから動き回り疲れて休むまでの活動的な15〜30分程が危険な時間帯(魔の30分)と考えられます。

ここまで数値や実態が見えてくると、家族や行政の担当者でなくとも、なんとかしたいと思います。私はデジタル人間なので直ぐにGPS技術を利用した位置検知システムを”ひらめき”ました、私でなくとも普段スマホを使う方々であれば殆どの人が「GPSでやれば」を”ひらめく”と思います。

「GPSでやれば」と思ったあと、どう進めるかを思考するには、一定の知見が必要になりますが、利用しているシーンを想像すると見えてきます。

GPSでやれば」発想で何を”ひらめく"
・邪魔にならない小型軽量は必須
・ポケットに入れるコンパクト形状がいい
・落とした時の発見に目立つカラーがいい
・首に下げるは危険、腰につけたり靴がいい
・GPSは消費電力から歩き移動なら5分間隔でいい

色々選べるGPS端末

現在発売されているGPS端末は、徘徊を意図して開発された訳でなく、配送車両の現在位置、荷物自身の現在地、高級レンタカーの現在位置、キャンプで行方不明になった事件を機にスマホを持たない家族の位置検知など、スマホのマップ機能と連携する事で様々な位置情報の取得に使われていて、ある意味、認知症徘徊への流用的商品です。

クロ現、報道特集ともにGPS端末には懐疑的な構成でした、NHKの取材では靴に取り付けたGPS端末は5分間隔の位置情報取得でマップに指示された位置に行くと既に居ない状態が続き結果保護までに2時間を要した。TBSの取材解説者はGPS搭載靴は履くとは限らないなど効果には懐疑的で「複数の自治体ではGPS端末の提供を中止した」としていました。

認知症徘徊の方の位置情報機器が必要
魔の30分
を考えると、”認知症行方不明者の命を守る為に” やっぱり認知症徘徊行動に適合した位置情報機器が必要だとの思いに至り、再び思考します、一歩進めるには徘徊への更なる知見が必要なので、介護の現場、多くの情報が集まる介護包括センター、介護福祉行政担当者、認知症を研究する先生にもお会いしてきました。

すると、端末機の開発エンジニアとは全く異なった、端末の性能限界や製造コストなどを無視した認知症の本人とそのご家族のことを真っ先に考えた、機能や要望を聞くことが出来ました。

認知症徘徊の方の位置情報機器へのひらめき
・なくさない為に身に付ける形状がいい
・5分間隔の位置情報ではなくて「今」の位置を示せること
・場所が分かるだけでなく本人の状態が同時に分かること
・本人の今の状態を知るには、音声、映像が得られること
・本人が操作できなくても目的が達成できること
・体温など健康状態も分かればもっと良い
・本人が助けて欲しいとの意思を持った時に通報手段が有ること

「認知症ケアの真髄」の著者で元浴風会ケアスクール校長の"服部安子先生"の「腕時計なら今のご高齢の方は大切にするから腕時計型を作って」

そこで作りあげたのモノは・・・
そして、ひらめきを具現化した方法は?

作ったのは腕時計型のGPS電話。「携帯電話です」
欲しい機能からひらめいたのはAndroid端末、腕時計型に組込んだ製品は既に多数作られて短期開発が可能で、価格はApple Watchの1/5以下に。
この条件で作れるのは中国しかないと複数の中国企業にコンタクトし製造ロットが少なくとも引き受けてくれる企業を探した。
「製造ロット」は、一度に発注する数量で中国企業は数千〜数万との返事が多い、初号機は不具合が発生する可能性が高く大量発注はリスクが高い。

時計型GPS電話

誰もが”ひらめく”だろうアップル社の「Apple Watch」です、比較される事が想定できたので Apple Watch には無い認知症の徘徊行動を考えた機能を持たせつつ 1/5程度の低価格を実現できた。

電話機能が特長

搭載した機能は
・「今どこ」が分かる即時位置表示機能、ボタンを押すと約15秒で位置表示
・高齢者が大切にする腕時計型にした事で常に身に付け紛失事故もない
・音声通話が出来る携帯電話機能
・周辺状況が分かるビデオ転送が出来るテレビ電話機能
・遠隔から体温が測れる遠隔体温計機能

by animental

中身は腕時計型のアンドロイド携帯電話
携帯電話の音声通話には音声通話SIMカードが必要です、本機では docomo 4G-LTE電波帯を利用していますので、docomo SIMを入手します。
音声通話SIMカードは「携帯電話不正利用防止法」により購入時に本人確認が義務付けられ罰則も規定されています。

どの電波帯を利用するかの情報が必要になりました。

4G-LTE 割当

SIMの利用には、APNの設定が必要 (IIJmio SIMの例)
・Name    iijmio
・APN       iijmio.jp
・UserName  mio@iij
・Password   iij
・RAP or CHAP

from IIJmio

スマホ操作が得意でない方へのセットで貸出しサービスも
スマホ(PAD)側のアプリのインストールが必要です、そこでGPS腕時計とサーバーで管理する管理IDとの紐付けに多少の手順が必要です。
ご家族で支える際に機器操作が得意でないことも想定し、音声SIMを入れたGPS腕時計と紐付け設定したアプリ操作PADの一括貸し出しが想定できる。

GPS腕時計とアプリPAD

サンプルGPS腕時計の入手などについては
info@animentalstudio.jp
お問い合わせ下さい。

from AnimentalStudio


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