自分が時差で死ぬ夢。
とあるゲームに大人数が参加する夢だった。
「複数の火の玉が前後に飛んでくるのを避けなければ死ぬ」というものだった。
壁にぶつかると跳ね返ってくる。閉じ込められた環境だった。
前から来るのをギリギリで避けては、後ろからくる跳ね返ってきた火の玉から逃げていった。
芝生で周りは開けていた。けれどみんながどんなふうに逃げているかは視界になかった。とにかく必死だった。
ラスト数秒、この火の玉から逃げ切れば助かるという時。
必死すぎるがあまり、火の玉を避けたのに逃げすぎて火の玉のスピードを超え、超えてしまったために後ろからぶつかる感覚がした。
「あ、もしかして死ぬのかもしれない」
「というか、今死んでるのかもしれない」
そう思いながら、ゲーム終了ともに集合場所に向かった。
向かう途中、「死亡者確定リスト」に自分の名前があった。私と5人ほどいた。
もう私はみんなに見えていない幽霊になっていると思いながらも、みんなのところに集合した。
そしたら「こっちでしょ〜」って誘導してくれた人がいたから、私はまだ一応生きているらしい。
あの火の玉は、ぶつかった人間の体の中でじわじわと分裂をして、時差で人を殺すものらしい。
「はい、まだ生きられるうちにお礼なり感謝なり、言うことがあれば」
とみんなの前に立たされた。
「皆さんと会えて……」
みたいなことを言って、あまりにこっちが暗いと反応に困るかなと思い、「こんだけ感謝を述べて最後のお別れ感出しているのに死ななかったら気まずいですね」
と言ったらシーンとなった。
死ぬ前に滑った。
元の席に戻る時には少し体がだるくなって腕を上げるのもキツくなった。
友達の友達に連絡して生存確認せよ。とみんなに指示があった。
死亡確定リストが出ているのになんて意味ないことするんだと私は冷静だった。
何人かに連続でかけているんだろう。イグジットのりんたろー。から電話が来た。
「お前は大丈夫だよな?」
「あ……うん、大丈夫だよ」
そう答えるしかなかった。
「大丈夫じゃないんだな。そっか……。今日、俺の自転車に乗って一緒に帰ろうな!」
そう言って電話が切れた。
青春だな、そう思った。
この辺りで目が覚めた。
掛け布団を丸めて抱いて寝ていた。この温もりさえも、死んだら味わえないのかと思うと涙が止まらなかった。