僕のスピードで。
僕はウトウトしてるわけです。
いつでもウトウトしているようです。
寝ているのか起きているのか分からないんです。
そういうことが時々あります。
遠くから
「春は曙 やうやう白くなりゆく山際」
そんな声が聞こえます。
「パパ、ちゃんと聞いてる?」
そんな息子の声がしたり。
「大丈夫。聞いてるよ。」
なんて答えたり。
僕も習いました。
何年生だったか覚えていませんが、たしかに習ったんです。
声に出して読んだような気がします。
僕も声に出して読んだように思うんです。
誰に聞いてもらったんだろうかと考えます。
「冬はつとめて 雪の降りたるは言ふべきにもあらず」
夢だったかもしれません。
遠くから聞こえる声が、
息子のものなのか自分なのか分からないんです。
そういうことが時々あります。
心地良いんです。
時間が溶けていくようなんです。
時間が溶けているのかもしれないんです。
そんなこと考えながらウトウトするわけです。
これも夢なのかもしれないわけです。
目を開けたらどんな景色があるんだろうかと考えます。
「春は曙 やうやう白くなりゆく山際」
遠くから聞こえるんです。
そういうことが時々あるんです。