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it。

ネギが苦手なんです。

こんな話をすると

「長ネギですか?玉ねぎですか?」

そんなことを言われるのです。

ネギが苦手ということは両方なのです。

そこは強く伝えておきたいのです。


「ネギが嫌いだと、ほとんどの料理に入ってるから大変ですね。」

そんな話もされるんです。

子供のころから食事というのは、ネギとの戦いだったのです。

ネギをよける作業が食事だったのです。


そんな話をしていたところ会社の人が

「分かります。私も都こんぶだけは無理なんです。」

なんて言うわけです。



「私も」ってなんだろう?

何かを共有していたかしらと思うんです。

僕のネギとあなたの都こんぶは、たぶん全く違うなあと天井を見上げます。


「都こんぶが苦手」なんて、ピンポイント中のピンポイントだと思うのです。それでこの人が困ることなんてあるんだろうかと考えたんです。

この人の残りの人生で、困ることはないだろうと思いました。

都こんぶが苦手で、困ることなんてないだろうと思うのでした。


はっきりした根拠はないのです。

世の中どうにもならないことがあるのです。

困る人がいれば、困らない人もいるのです。

ほら、世界は美しい。

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