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卒業制作「人から読み解く百人一首」2022'3

卒業制作として百人一首を題材にしました

今回ムサビ通信生として、卒制のまとめをこのnoteに残します。卒業制作はもちろん、ムサビ通信は如何せん情報不足の連続。後々このNoteが後輩にも役立てていただけるのはもちろん、百人一首をあらためて触れてみようというきっかけになったら幸いです。


人に注目した百人一首のきっかけ

テーマ「百人一首を人から読み解く」ことを卒業制作のテーマにしました。百人一首をゼロから調べ直し、歌人たちを含む100の歌をまとめ直す中で、和歌に注目した本に比べて人に関する本が少なかったことがきっかけです。
何よりも自分が和歌そっちのけで歌人のグダついた人生をまとめることに躍起になっていたことが大きな理由ですね。

実際の作品。右:閉じた時/左:開いた時。11の蛇腹を大きい箱の中に、1のマップをもう一つの箱の中に入れます。(※後述)


100人の有名人たちが1首ずつ詠んだ歌を97番の藤原定家がまとめたベストアルバム「100人の1首」が「百人一首」なのだと、改めて言葉の意味に気付かされたのも調べてからです。(考えもせずに受け入れていた5月ごろの自分はなんと浅はかだったのか)

展示の様子

見せたい人、見せたい目的は?

この作品は百人一首の名前を一度でも触れたことのある人、また、学生時代に苦手意識のある人を対象に、百人一首とは「なんだ、くだらないな。」と思ってもらうことを目的としています(!)。古文だからと敷居を上げて敬遠して欲しくないことが目的でした。なぜなら、本当に1000年もかけて残してきた歴史的な和歌たちは本当にくだらないことを書いている人たちばかりですから。(もちろんそのくだらなさに脱力してしまうのも百人一首の魅力でもあるのですが…。)

歌人たちを二つの方向から見つめる

一つ目は歌人たちの位置関係を俯瞰してみることと、歌人の人となりを詳細に見つめる、二つの方向から楽しめるようにし、それぞれ「百人一首歌人マップ」「プロフィール集」の2つのメディアを一つのケースにして収める作品となります。


百人一首歌人マップと歌人プロフィール集

○百人一首歌人マップ
〜あの人はどこにいて、誰と関わりがあったのか?〜
百人一首の歌人マップは1番が詠まれたとされる奈良・飛鳥時代から100番の戦国時代まで、時代別に並べ、関わりのあった人々を家系図の用に並べたものです。年表と家系図をざっくりと編集したようなものです。身分ごとに番号を、生きた時代ごとに背景を、色別に分けて見やすくまとめました。

展示用に引き伸ばしたマップ。
実際の大きさはもう少々小さく、それを畳んでしまえるようにしました。
身分、一族、生きた時代ごとに線や色を変え、
彼らの立ち位置をビジュアルから感じられる外観にしました。


○歌人プロフィール集
〜和歌を中心に歌人の本性を暴露、この人実は•••〜
百人一首はやはり和歌が主役。これは一人ひとりの情報を和歌を中心にまとめたプロフィール集です。その人の年齢や職業(判明した人は職務内容)、概要文を設け、それらをもとにどんな人かを一言で表すキャプションを載せています。

歌人プロフィール集の一例。背景は時代別、帯の色は身分を表す。
この人は69歳まで生きたエリート官僚でした。


※ 分析結果も後日編集します!