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感覚と論理の英文法 英語で大切な感覚

こんにちは

今回は英文法の解説を始める前に、押さえておきたい英語の大切な感覚について話していこうと思います

英語の感覚を押さえることで英語に対する見方が変わるかも?!

今回は #感覚 をメインに解説していこうと思います


なぜ英語の感覚を押さえるのが重要なのか

結論から言うと、英語を英語のまま理解するのに非常に役立つからです

英語と日本語では文化や歴史が違う、それゆえに日本語を英語、英語を日本語にして考えようとすると齟齬が生じてしまいます

その齟齬によって内容を取り違う可能性があるんです

こうしたことを避けるには英語を英語で理解する必要があります

そのためには、ネイティブが普段どのように英語を捉えているかの感覚を押さえることが必要不可欠なのです

英語の大切な感覚

①英語は位置言語

位置言語とは単語の置かれた位置、語順によって文の意味が決定する言語のことです

ここでまず、日本語の例で考えていきたいと思います

日本語は語順にとても寛大な言語です

それは、日本語は助詞によって表現の文中での役割を決めることができるからです

例えば「トムはリサにプレゼントをあげた」という文は「トムはプレゼントをリサにあげた」と言っても文意は通じますよね?!
更に言えば、「リサに、トムはプレゼントをあげた」、「プレゼントをトムはリサにあげた」など他の語順で言っても文意は通じるでしょう

これは、「は」が主語、「を」が対象(物),「に」が対象(人)を表す助詞であるからなんです

これらの「は」「を」「に」によって、「トムは」、「プレゼントを」、「リサに」のフレーズは文中での役割が決まっているんです

では、英語はどうでしょうか?

英語には助詞がありません

それでは、英語はそれぞれのフレーズに役割がないのでしょうか?

それは違います

英語にもそれぞれのフレーズに役割はあります

実際に、"Tom gave Lisa a present."という文では、"Tom"が主語、"gave"が述語(動詞)、"Lisa"が対象(人)、"a present"が対象(物)の役割をしています

英語は単語、句の置かれた位置が役割を与えているのです

red [名]:
red book [形]:赤い
burned red [副]:赤く燃える

英語ではredに語形変化はなく、どの品詞で使われてもredです。常におマジ形のredですが、ネイティブスピーカーはその役割を決して誤解しません。それはやはり位置によって意味を知るから。主語や目的語で使われれば「名詞」。名詞に隣接すれば「形容詞」。動詞句に隣接すれば「副詞」といった具合にです。

https://www.gentosha.jp/article/22939/

他の例も見てみましょう

位置で役割が変わるのは主語も同じです。
Ken loves natto.
この文でKenが主語だとわかるのは、動詞の前にあるから。典型的な人・モノ(名詞)以外の要素も、この位置に来れば主語となります。
To make friends is not easy.
Making friends is not easy.
That he survived the crash is a miracle.
Under the doormat is not the safest place to hide keys.
to不定詞、動名詞、that節も主語の位置に来れば主語。前置詞句もそれほど頻繁に使われるわけではありませんが、主語の位置で使われればやはり主語の役割を与えられます。
文中の位置が意味を決める、その強さは次のような例にも見ることができます。次の例では形容詞が主語となっています。
“Difficult” is an adjective.(訳:difficultは形容詞です)
書き言葉では引用符(“ ”)や斜字体などを用いて通常の使い方ではないことを明示しますが、口頭で言われても、私たちは「主語なのだから名詞のはず。形容詞ではあり得ない。そうかdifficultという単語のことなんだ」と了解します。主語という位置を見れば、どういった語句でも名詞として解釈しようと全力を尽くす―――それが位置の強制力なのです。

https://www.gentosha.jp/article/22939/

このように、英語では単語、句の位置が文中の役割を与えている、ゆえに英語は語順が厳密に守られているのです

②情報を補う

ネイティブが最も多用している英語感覚は「情報を補う」です

イメージとしては

【 メイン 】< 補足情報 >

という感じです

話し手/書き手は何か(メイン)をポンッと言ってみて、「あ、足りないな。」と思って、後ろに補足情報をポンと足すという感覚です

具体例を見ていきましょう

【the guy (あの男)】
どんな男かっていうと…..
<who lives in NY (NYに住んでいる)>
と⇑の部分をポンと補う感じ

https://native-eigo.com/709


こんなイメージです

他の例も見ていきましょう

【 メイン 】< 補足情報 >
1.【 a shop 】< in Shinjuku >
   【 お店 】< 新宿にある >
2.【 the boy 】< wearing a cap >
   【 その男の子 】< 帽子🧢をかぶっていいる >
3.【 boots 】< made in Italy >
   【 ブーツ 】< イタリア製の >
4.【 homework 】< to do by tomorrow >
   【 宿題 】< やらなきゃいけない 明日までに >
5.【 a shirt 】< I bought last week >
   【 シャツ 】< 私が買った 先週 >

一応、文法的な解説をすると、1は前置詞句、2は現在分詞、3は過去分詞、4は不定詞の形容詞的用法、5は関係代名詞の省略です
1〜5まで、一般的には全然違う文法事項として扱われますが、すべて共通して、何かメインを言ってから、「あっ、メインだけだと、説明不足だから後ろにポンッと補足説明しとこう!」という感覚でネイティブは捉えています。その補い方が関係代名詞や現在分詞、過去分詞、不定詞、前置詞句…などなど色々な方法があるだけで、根本は全てこの「補う」という感覚なんです!

https://native-eigo.com/709

これまでの例では名詞に補足情報を付け加えていましたが、名詞だけじゃなく、文に補足情報をポンッと付け加えることもできます

具体例を見ていきましょう

【 メイン 】< 補足情報 >
1.【 I went to Fukuoka 】< to see my friend >
   【 福岡に行ってきたんだ 】< 友人に会いにね >
2.【 I am too busy 】< to go with you >.
   【 忙しすぎるんだ 】< あなたと一緒に行くには >
3.【 This book is so difficult 】< that Mike can't read it >.
   【 この本はそれほど難しいよ 】< マイクが読めないくらい >
4.【 It's not easy 】< to play this song >.
   【 簡単じゃないよ 】< この曲を演奏するのはね >
5.【 I saw Tom 】< at the park yesterday >.
   【 トムに会ったよ 】< 公園で 昨日 >

https://native-eigo.com/709

このように、「補う」という感覚は英語の至るところで使われています


*やや発展的な内容

実はメイン、補足情報の他にもう一つ「背景情報」というものがあります

背景情報は、メインの状況設定をする単語や句、節のことです

イメージとしては

( 背景情報 )【 メイン 】< 補足情報 >

という感じです

具体例を見ていきましょう

( 背景情報 )【 メイン 】< 補足情報 >
1.( Yesterday )【 I saw Tom 】< at the park >.
   ( 昨日 )【 トムに会ったんだ 】< 公園で >
2.( When I was a child ),【 I didn't like tomatoes 】.
   ( 子どもの頃 )、【 トマト好きじゃなかったんだ 】

1の文では「昨日」という状況設定、2の文では「子どもの頃」という状況設定があります

このように、背景情報によって文の状況設定ができるんです!

ここで一つ疑問に思うことがあるかもしれません

背景情報と補足情報って位置が違うだけで内容は同じじゃね?っと

実は、背景情報と補足情報は意味上は差がないのです

どちらも同じ意味の内容を言えます

a.I saw Tom at the park yesterday.
b.Yesterday I saw Tom at the park.

aとbでyesterdayが補足情報か背景情報かの違いはありますが、意味上は違いはないです

ですが、その内容をどういう経緯で考えたかが異なります

補足情報はメインを話している/書いている途中で「メインだけだと足りないから補足説明しておこう」と思って付け加えられます

一方、背景情報はメインを話す/書くから「こういう設定の話をするから先に言っておこう」と思って付け加えられます

a.I saw Tom at the park yesterday.
b.Yesterday I saw Tom at the park.
a
aでは"I saw Tom (at the park)"と言っているときに「ああ、昨日のことだよ」と補足説明、bでは"I saw Tom (at the park)"と言う前に「昨日ね…」と状況設定している感じです

このように、いつその内容を考えたかによって使われる位置が変わるのです

まとめ

今回押さえておきたいことは

1️⃣ 英語は位置言語
単語、句は置かれた位置によって役割が変わる

2️⃣ 情報を補う
メインをポンッと言って、その後に「足りないな」と思って補足説明をする
【 メイン 】< 補足情報 >

これらの英語の感覚が少しでも皆さんの役に立てれば嬉しいです

ということで、少し長くなりましたが、最後までご覧くださり、ありがとうございました!

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