自分
動物編
シロ
シロは豆柴ミックスの女の子。
名前の通り真っ白で、親戚から貰って来た時は本当に小さくて、ラブラドールのお兄ちゃん犬ブラックと一緒に散歩に行くと、ブラックの1歩がシロの5歩くらいで、常に目に見えないくらいの回転で脚を一生懸命動かしていた。
ブラックが何かに興味持って、急に方向転換すると、その勢いでシロのリードも引っ張られて、歩いてる格好そのままの状態で空中にピョーンて引っ張られて、まるで小さいぬいぐるみのようであった。
顔立ちも可愛くて、色も白くて近所では可愛いと評判の子犬だった。
柴犬は、なかなか聞かん坊な性格が多いみたいで、近所のおばあさん1人暮らしの家でも柴犬を飼っており、よく散歩ですれ違うのだが、その柴犬も女の子な筈なのに、思いっきり牙剥き出してまるで狂ったかのように、シロと自分に吠えてくる。
結構長生きしてる犬な筈なのに、やたら元気がいい。
おそらくおじいちゃんが亡くなって、おばあちゃん1人になっちゃったから、「私がおばあちゃんを守らなければ!おばあちゃんが死ぬまでは私は死ねない!」と思ってるのだろう。
そして、そのおばあちゃんも、「私がいなくなれば、この犬の面倒は誰が見るんだ、しっかり長生きして、この犬よりは先に逝けない!」
と思ってるのかもしれない。
お互いの存在が、いい感じのバランスを保っている。
シロはどんなに吠えられても、向かって行ったりはしない。
家にいて誰かお客さんが来ても、「ワン!ワン!」の二言で終わる。
多分「誰か、来た」と伝えてくれてるんだと思う。
豆柴なだけあって、10年以上生きててもなかなか大きくならなくて、お散歩に行くと近所のおばあちゃんが「あれ、また子犬飼ったの?」と聞いてくるくらいだった。
「いや、前からの犬なんだけど、自分と同じでなかなか成長しなくて、、」と言うと、笑ってビックリしていく。
そんなシロも14歳過ぎた頃から、ご飯を食べなくなって、日に日に元気が無くなっていき、病院に連れていって、ぶっとい注射を打ってもらった後は少しよくなるが、しばらくするとまた元気が無くなり、悲しいかないよいよ最期が近づいてきたのかと思い、外飼いだったシロを家に入れる事にした。
猫の姫ちゃんとも仲良くしてくれて、初めて入る家族団欒の部屋に興奮気味に喜んでくれていた。
ある日、冬ではあったが朝から天気も良く気温もそれほど低くなくポカポカ陽気だったので、シロを久しぶりに外に出す事にして、私達は少し出かける事にした。
夕方帰宅したら、シロはもう動かない状態だった。
自分の犬小屋に最後
入ろうとしたのか、前足だけ犬小屋に入ってる状態で、身体は外に出たままだった。
あったかい家の中で、最期を迎えてやれなかった事。
家族で最期を看取ってやれなかった事。
いろんな後悔が頭の中を渦巻いてる状態で、シロを抱き抱えた。
今までありがとう。
私達も、明日必ず生きてるという保証は無いという気持ちで、今日一日を生ききらなければならないと思う自分であった。
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