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秋田県立博物館の「蓑虫山人展」の様子
現在、秋田県立博物館で「蓑虫山人展」が開催中だ。しかし会期は8/23までと迫りに迫っている。このnoteを書いている今現在は8/20。残された週末はあと1回。
僕自身、明治時代の縄文おじさんの大先輩である蓑虫山人の単行本を執筆していることもあり、また取材先の一つだったこともあり、展示の企画は早いうちに聞いていて、もちろんというか、当然、見に行くつもり…ギリギリまで機会を伺っていたのですが…、諸般の事情で秋田県入りを断念。こちらの展示を見に行くことはできないことになってしまった。
残念すぎるので、県博から展示の様子を送ってもらったので、ここで紹介しておきたい。行ける方はぜひ見に行ってください。特に青森、秋田、岩手は蓑虫山人とゆかりの深い場所だ。そのなんともいえないけれど、優しくユーモラスなタッチを見に行って欲しい。
(写真:田附勝)
蓑虫山人を簡単に説明しておくと、幕末に美濃(岐阜)で生まれ、14歳で家出をし放浪を始める。九州で西郷隆盛を助けた逸話や、青森で亀ヶ岡を発掘したり、岩手で水沢公園を設計、猊鼻渓を宣伝したり、日本初の縄文展を開いたり、私設博物館設立を夢見て、そのために奔走していたり、と、変わった話が多い。
旅のスタイルもまた特徴的だ。蓑虫山人は名前の通り折りたたみ式の庵を背負い旅をしていて、気に入った場所があればそこに居を構え、月見に花見を楽しみ、好奇心の赴くままに日本中を旅することになる。
また、行く先々で一宿一飯のお礼に絵を描き、また楽しいことや景色に出会えば絵日記を描き続けた。その画題は各地の民俗や道具、東北の何気ない日常、好きな場所、好きな風景。驚きやユーモア。楽しい宴会に土器に土偶。
秋田県立博物館は明治23年から28年頃の蓑虫山人の絵日記を所蔵している。この頃の蓑虫山人は50代の後半、画業も旅も円熟の域に達している。また、ここでは絵日記に描かれた土器や土偶も一緒に見ることができる。これもまた貴重な体験だ。
この週末、行ける方はマジで見に行って欲しい。
現在、蓑虫山人の評伝を執筆中だ。発売日は9月25日になったようだ。書名は、『蓑虫放浪』。また告知しますが、こちらもどうぞよろしくお願いします。