あの漫才師が縄文で漫才をしたら1
H:この間ね、縄文時代のすごい土器を見つけたんですよ。
T:ほお、縄文土器はすごくたくさん種類があるから、隠れた名品っていっぱいありそうですね。
H:インターネットのヤホーで調べたんですが。
T:ヤフーね。最近はGoogleのほうが主流みたいですけどね。
H:遮光器ね。
T:Googleがゴーグルに変化して、そこから遮光器土偶の遮光器に変化してるって、そのボケ誰もわかりませんよ。いいからすごい土器ってどんな土器なんですか?
H:その土器、あんまり有名じゃないかもしれないから、みなさん知っているかどうか全然自信ないんですが……、たしか名前が……えっと…か……火焔型土器って言うんだけど。
T:知ってますよ! 一番有名な縄文土器ですよ。特にこの雑誌読んでる人は全員知ってますよ!
H:火焔型はえらい派手な土器で。
T:確かに派手な把手とかついていますけどね。
H:何が派手かって言うと、とにかく夜遊びと金遣いが派手な土器でね。
T:土器は夜遊びもしないしお金も使いませんよ!
H:そのせいで火焔型土器の時代はあまり長続きしなかったみたいなんですよね。
T:確かに長く続かなかったみたいですけど、絶対そういう理由じゃないですよ!
H:火焔型がよく一緒に夜遊びしてたパリピ系土器といえばアゲアゲの円筒上々式ですね。
T:円筒上層式ですよ! 全然浮かれたところのない土器ですよ! まあ火焔型と同じ時期ですけど。そんなこと言ったらさらに地味な円筒下層式がサゲサゲになっちゃいますよ。もうちょっと気を使ってくださいね。
H:それから「君、カソリEね」でお馴染みの加曽利E式なんかもパリピ系土器に分類されているんですよね。
T:それを言うなら「君、カワEね」ですよ……ってそうじゃないよ!あとさっきから何ですか? そのパリピ系土器って。そんな分類ないですよ。いい加減にしてくださいよ。
H:水泳の北島選手の「超〜カソリE」も有名ですね。
T:「超〜気持ちいい」のことですかね。全然違いますからね。
H:あと僕ね、E式紗英も好きなんですね。
T:多分、一色紗英さんですね。綺麗な女優さんですよ。もはやE式って言いたいだけでしょ!
H:まあ加曽利といえば映画にもなっているみたいなんですよ。
T:え、映画なんてなってましたっけ。ドキュメンタリー映画ですかね。
H:これも……知ってるかな、『女囚加曽利』シリーズって言うんですけど。
T:もしかして『女囚さそり』シリーズのことですか?
H:『女囚加曽利EⅠ』に『女囚加曽利EⅡ』、『女囚加曽利B怨み節』も傑作なんですよ。
T:ちょっと! ふざけすぎですよ。さりげなく加曽利B式も混ぜてるけど、気を使うところ間違えてますよ!
H:主演の梶芽E子がいいんだよね。
T:梶芽衣子さんですよ! さっきから全部間違ってますから。
H:あ、そろそろお時間みたいなので、最後にこの曲でお別れといたしましょう。山口百恵で「E日旅立ち」。
T:「いい日旅立ち」だよ。もういい加減にしろ!
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この縄文漫才は縄文ZINE12号からの抜粋です。