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10 大学業界も人不足

大学教員は目指しても簡単になれる職業ではなく、100人の博士がいても消えていく人がほとんどだと聞いてきた。
しかし、専任教員の公募をしても思ったより人が集まらないし、非常勤講師を見つけることさえ難しいと感じている。

大学が教育歴のある人を重んじ、初めて教えようという人を歓迎しないからこそ、非常勤の担い手がいない。
また大学院生の絶対数が減り、割に合わない非常勤講師でもやる、どんな遠方の大学でも行くという若手が減少している。いつまでも現状のような安い賃金では誰も教えに来ないだろう。

私が退職した大学も同様で、非常勤のなり手がいない。だから私は現在も前任の大学へ通う。いつになったら辞められるのかと思いながら。ちなみに私の後任として新たな教員がすでに着任しているのだが、辞めた者への罰のように非常勤を続けさせられている。

サバティカルを取りたいのに代わりに講義してくれる人がいないとか、
専門外の人にも頼まざるをえないくらい査読できる人がいないとか、
アカデミアもつくづく人不足だ。

こういう状況だからこそ、能力のない自分でも大学に就職できた。しかし、それでは教員は務まらない。だからとても苦しい。
同じ夢を持つ人が減ったからこそ私の夢は叶ったが、その先が長かった。