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niirosb
39 知らない星で息ができない
大学を異動してから、まったく言語がわからず、酸素もない星に来たかのようだ。
業務に関する説明がないことが辛い。いきなり「これを決めてください」「この委員をしてください」「人を探してください」「ほかの先生との業務を仕切ってください」と指示が飛んでくるが、なにも説明がない。
どの会議には出る必要があり、どれはないのか。入試を作れと言われても様式と過去問はどこにあるのか。ほかの先生の連絡先は。教員、職員、どちらに質問しても「私もわからない」または無視しか返ってこない。
そもそも質問できる場がない。つねに質問リストを抱え、たまたま知っていそうな人に会えたら手当たり次第聞いている。組織が巨大なため、すべての正解を知っている人はいない。断片的な回答の中から正解らしきものを探すことになる。
講義はやれるが、学内業務はさっぱりである。他学科の教員から、いきなりなんでもやらされすぎでは? なぜあなたがまた一人で担当しているのか? などと言われることが増えてきた。少し安心する。しかし同情していただいても状況は変わらない。
若いうちに常勤職を手放した研究者を数人知っている。明日の自分の選択かもしれないと思う。