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【学芸員資格】博物館資料論レポート

【設問】
美術館学芸員のあなたが、「地域ゆかりの美術作品」(素描、版画を含む絵画、彫刻、工芸、書等)を軸にした活動を一任されたと仮定します。そこで、以下の4つの項目について、博物館資料論の観点から活動計画を立ててください(3,200字程度)。※レポート全体の趣旨を表すタイトルを文頭に記すこと
1. 収集方針
2. 作品の管理
3. 調査研究とその還元
4. 二次資料の活用

なお、論述にあたっては、必ず他館の具体的な事例を2館以上採り上げて調査し本文内で説明しつつ、それらの事例からあなたの計画のために学び得ることを整理して記してください。
※他館の事例のうち、少なくとも2館は日本の博物館とする
(シラバスより抜粋)

活動計画書 平塚市美術館における浮世絵の作品収集について

はじめに

 今回、平塚市美術館において、浮世絵を中心とした近世の芸術作品の収集を行う。
 現在、平塚市美術館では「湘南の美術・光」をメインテーマに鳥海青児・工藤甲人などといった、近現代における湘南ゆかりの作品を中心とした作品収集・保存活動を行っている。平塚市美術館は現在湘南エリア(相模湾周辺)で活動する画家たちから多くの作品を寄贈・寄託等を受けており、独自性の高いコレクションが形成されている(*1)。
 一方、近世以前の作品に乏しく、特に浮世絵に関してはデータベース上で見る限り、ほぼゼロに等しい(*2)。テーマから敷衍するに近現代芸術である必要は必ずしもなく、また近世以前の日本画一般に(現代で言うところの)写実の発想が無いにせよ、近世以前の風景を取り扱った浮世絵を収集する積極的な意義はあると考え、今回のテーマとした。

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