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それでも忘れられない君へ。⑧

「ちょっと少年、そろそろ離れてくれるかな…」
 加奈子は少年の両肩を掴み、少し力を入れてグググッと自分から少年を引き剥がした。数十センチほどの距離ができると、加奈子はその場にしゃがみ込み、少年と目線を合わせる。年齢は小学生1年生ぐらいだろうか。短髪の髪型で、白いTシャツに白い半ズボン、白い靴下に白いマジックテープの白いシューズを履いている。はしゃぐ年頃にそぐわない、真っ白なファッションだが、ある意味では美術室にふさわしい、コンセプチュアルなスタイルであるとも言える。

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