それでも忘れられない君へ。⑦
「どうしたのよ、一体!」
息を切らしながら追いついた綾がようやく追いつき、加奈子の肩を捕まえた。加奈子はこれ以上綾を振り切ろうとはせず、その場に立ち止まる。
蝉の声、綾の乱れきった気息、そして遠巻きに聞こえる野球部連中の掛け声だけが夏の、昼下がりの住宅街に鳴り響く。
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「どうしたのよ、一体!」
息を切らしながら追いついた綾がようやく追いつき、加奈子の肩を捕まえた。加奈子はこれ以上綾を振り切ろうとはせず、その場に立ち止まる。
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