湖とお月さま
心はまるで湖のようです。
湖の水面には大抵
さざ波が立っています。
でも、ある時不意に
ピタリと風が止まって
波が立たなくなることがあります。
いわゆる「凪」の状態ですね。
湖がこのような凪の状態にある時には
その水面に
それはそれは美しいお月さまの姿が
はっきりと浮かび上がります。
実は、このお月さまは
湖が凪の状態にあろうとなかろうと
変わることなく存在し
いつもあたたかい慈愛の光を
放っているのです。
ところが、湖の水面に波が立っていると
その光、お月さまの姿が
ぼやけてしまったり
全く何も映っていないように
感じられてしまうんですね。
さて、瞑想や祈りには
心という湖のさざ波を静め
凪の状態をつくる効果があります。
実際、瞑想や祈りをして
静寂や安らぎ、至福を感じられた方も
たくさんいらっしゃることでしょう。
(もちろん、瞑想・祈りを意図してしなくても
平安と幸せを
日常のふとした瞬間
例えばお散歩している時や
のんびり日向ぼっこしている時などに
感じられることもあると思います。
それはとても幸せなことですね。)
ここで一つ、大切なことがあります。
それは
凪とはあくまでも「状態」だということです。
そして、状態とは変化するのが理です。
ですから
凪という状態がどんなに平安で
至福に満ちたものだとしても
その状態に執着するなら
やはり抵抗が起こり
苦しみが生じてしまいます。
変化するのが理であるものに
変化しないことを求めてしまうと
それは真実と一致しないために
苦しみが生じてしまうんです。
ところが
このお話にはさらに大切なことがあります。
それはこういうことです。
通常、わたしたちが瞑想や祈りによって
感じる平安や至福というものは
波のない水面にくっきりと映った
お月さまのようなものです。
つまりわたしたちは
お月さまそのものではなく
湖に映ったお月さまの姿を見ています。
ですから
わたしたちがどれだけ平安や幸せを
感じられるかというのは
水面の状態に依存しているのです。
けれども
もし、わたしたちが
湖に映るお月さまの源
その光がどこから出ているのかを
探求するなら
偉大な気づきがもたらされます。
その光は
わたしから放たれているのです。
お月さまはわたしだったのです。
その気づきとともにあるなら
もう、湖を見る必要はなくなり
波があなたに影響することもありません。
あなたはお月さま
つまりあなた自身を
直接見ているのですから。
そうしてあなたは
その変わらない平安と幸せのもとへ
還ってゆくのです。
ルル
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