2018年は「eSIMスマホ」元年になるか
2017年12月に民事再生法適用を申請したプラスワン・マーケティング。格安スマホ「フリーテル」ブランドで攻めの経営をしていたが、あっさりと会社が傾いてしまった。今年1月、プラスワン・マーケティングの端末事業を引き継いだのがMAYA SYSTEMという会社だ。もともと、海外Wi-Fiルーターのレンタルや販売を手がける会社だ。
彼らの売りが「eSIM」の技術だ。通常、スマホやWi-FiルーターにはLTEや3G回線に接続するために契約情報などが書き込まれた「SIMカード」が挿入されているが、eSIMはその情報をネットから自由に書き換えられる。海外渡航時、日本からのローミングではなく、現地の通信会社の情報に書き換えることで、安価に通信できるというのがメリットだ。MAYA SYSTEMは将来的にeSIMを搭載したスマホをフリーテルブランドで投入しようとしている。
奇しくも、大手旅行代理店であるH.I.S.とMVNOの日本通信がはじめる「H.I.S.モバイル」という会社も、eSIMを使った海外渡航者向けの安価な通信サービスをはじめる。
eSIMは、キャリアを簡単に切り換えられるため、大手キャリアは導入にあまり乗り気ではないとされている。だが、アップルはすでにiPadやApple WatchでeSIMを導入済み。中国などではeSIMに対応したデバイスがすでに1億台以上も稼働しているという話もある。
今後、日本でもeSIM対応のデバイスが増えていきそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26749930Z00C18A2000000/