写真を撮りに、愛媛へ。
往復2時間歩いてみかん畑に登ったり、有名な海の見える駅に行ったり、松山駅最後の姿を写真に収めたりする愛媛旅行。
岡山から特急しおかぜに乗って、四国の瀬戸内沿いをずうと西へ進む。右手は瀬戸内海だ。
松山駅に着いたのは10時ごろ。この松山駅の景色は、まもなく…というか、この記事が出ているころにはもう、消えている。
ホームのすぐ隣に出来ていたのは、まもなく開業の時を迎えようとしている新駅舎であった。
2024年の9月末に、ついに新駅舎へと切り替わった。
この地上駅舎には自動改札はなく、切符を駅員さんに渡す形である。
しかし今度の新駅舎では自動改札機が導入されたらしい。世はどんどんとハイテクになっていく。
この魅力的な三角屋根の駅舎。無くなってしまうには惜しい。松山駅と言えばこれだった。チャーミングでしょう?
路面電車に乗って、伊予鉄道の松山市駅 に行く。
たまにある、より中心部に私鉄の大きな駅があるというパターンだ。
松山市駅はさすが栄えている。駅の上には観覧車とかあるし、人も多いし、高島屋が入っている。
時間もあるので、商店街を歩いてみよう。
松山は商店街が賑やかで非常にいいなと思う。ここは銀天街。歩いてみると、かなり何でもある。
写真を趣味にしているとつい寄って見てしまう。場合によっては旅中なのに無駄にカメラを買ってしまう。そんな地域のカメラ屋さんも、ちゃんとある。
町のカメラ屋というのは随分減ってしまい、こういうのが珍しくなってきた。
かき氷のお店とか、メロンブックスとか、なんでもある。いろいろな店に引っ張られかけたが、とりあえずご飯らしいご飯を食べたかったのでランチにいい感じの店を探した。
ハンバーガーにした。
ただ気が向いたから入店したわけだが、このお店 (アマンダコーヒーズ) は、松山のご当地チェーンらしい。ちょっといい感じだ。旅先の松屋なんてのも気にしない私でも、やっぱりご当地チェーンっぽい店には行きたいわけだ。
美味しかった。
さて、松山市街を少し覗いた後は、JRの松山駅へ戻って、特急で南の方へ向かう。これから、有名な鉄道風景の撮影地へ向かう。
降り立ったのは卯之町(うのまち)駅。ここからは、なんと徒歩1時間をかけて鉄道を見下ろす撮影地へと向かう。ここは結構有名で、とてもいい景色を見ることができるらしいから、ずっと行ってみたかったのだ。
途中までは田んぼとかを見ながら進む。余裕で30度は超える完全な真夏であったから、大変である。
後半30分はトンネルの中をひたすら歩く。歩道は無いし、車道の外側にはなぜか泥とかが溜まっていて、たまに滑ってちょっと危険だ。
しかしトンネル内は外より涼しくて、結果的には助かった。
トンネルを出るともうすぐに撮影地。右の農道っぽいところを通って、ミカン畑に入っていく。
撮影地はこんな感じで、スプリンクラーがずっと回っている。涼しくていいが、場所によっては濡れる。
目の前はこの景色である。みかん畑が広がり、奥には海も見えている。高くて気持ちがいい。このあたりは法華津峠と呼ばれている。
左下に線路が見える。ここを走る列車を撮影する。
特急宇和海がやって来た。
列車待ちの時間は、一か月くらい前に徳島で買ったお土産があったのでそれを食べていた。
いい景色で食べるとうまい。
普通列車もやって来た!一両編成の古い車両。個人的にはこっちのほうが嬉しい。
なんだかんだ3時間ぐらい滞在し、山をまた1時間かけて下ることにした。このトンネルを抜ける頃には空が色づいているだろう。
卯之町の駅に帰って来た。往復2時間というのは、計画を立てていた時にはかなり恐れていたが、なんだかんだ大丈夫であった。今度はみかんが黄色い時に来てみようか。
この後、どんどん暗くなる車窓を見ながら、松山の宿に帰った。
翌朝、5時51分の普通列車に乗る。眠たいが、しかしこのくらい早い時間に行っておきたいところがある。
やってきたのは
下灘駅である。
特に海の向こうに夕日が沈むような時間帯にはとんでもなく多くの人がホームに集まる、ここ数年ですっかり人気になった観光スポットである。
往復2時間もかけて電車を撮るためだけに山を登るような人でなくても、この駅の事は知っている。そのくらい、有名だ。
なぜこんな早起きして来たのかというと、こんな早い時間ならば、ほとんど人はいないだろうと考えたからだ。しかし驚くべきことに、10人以上はホームにいた。車なんかでわざわざ来ているようであった。人気ぶりがすごい。
それでも夕方や昼よりはよっぽど落ち着いている状態だっただろう。のびのび動き回って、人を写さず撮影できた。
列車が来ると、皆ホームから数歩下がってカメラを構え写真を撮る。マナーがよく、皆あの印象的なホーム屋根やベンチからは離れて、写り込まないように配慮して楽しんでいる。
海が綺麗だ。だんだん陽ものぼってきた。
数本列車を見送ってから、何本か後の列車に乗り込み、一つ隣の駅に行ってみる。
一つ隣の伊予上灘駅だ。下灘駅への普通列車に乗った事がある人には覚えがあるかもしれない。大抵、この駅で数分トイレ休憩があるから、数分だけホームに降りたことがあるという人も多いと思う。
今回私は、この駅でしばらく過ごしてみることにした。
今回の待ち合わせでやってきたのは、伊予灘ものがたりという観光列車だった。いきなり来て少しびっくり。
伊予上灘駅の駅舎。いい雰囲気だ。
駅前にはいい商店が。レストラン喫茶も併設してあるらしい。私は一階の商店で、アイスボックスと三ツ矢サイダーを買った。いわずもがな今日もめちゃくちゃな暑さだ。だからこの最高の組み合わせで涼む。
真夏のいい雰囲気の田舎の駅でアイスボックス。青春かも。
駅前にはバス停がある。なんとここに来るバスは無人・自動運転の物だった。なんてハイテクなんだ。衝撃であった。衝撃すぎて写真を撮るのを忘れた。
次の列車がやって来た。
普通列車。いい雰囲気だ。
海を見ながら、南西に進んでいこう。次に向かうのは伊予大洲である。
伊予長浜駅を出ると。急に進行方向を変え、海ではなく川に沿って走るようになる。
伊予大洲に到着。ここは「伊予の小京都」なんて言われているところだ。
「持続可能な観光地」の世界1位に選ばれたというニュースを私はどこかで聞いていた。
アクトピア大洲という商業施設がある。こういうローカルな店はじっくり見て行きたいものだ。
堤防に上がって川を見下ろしながら、観光地となっている城下町のほうへ歩く。
川を渡って街に入ると、急に古そうな味のある街並みとなった。写真の撮りがいがある。
この時はお盆に入ったばかりの時期。各地の空き地や駐車場に盆踊りの会場が設営されているのを見ながら旅ができる時期だ。
大洲城まで登って来た。景色の良い高台にある。
宇和島の宇和島城には行ったことがあったが、場所が近いこともありどこか似たような雰囲気だ。
古い建物を、できるだけそのままの形で別の店に流用しているところも多い。ここは看板もそのまま置いてあるらしい。
大洲は「すずめの戸締り」にも出てきた。
愛媛の描写がいいなぁと、あの映画を初めて見たときには思った。あの一目でわかる秋の感じに、ミカン畑しかないような坂を上っていく感じ。全体的にものすごく"愛媛"を感じるあの絵がよかった。
味のある建物群を写真に収めていく。
あまりにも暑すぎて、カメラが「温度上昇!!」なんてエラーを吐くので、一度店に入って涼むことにした。
おいしそうであり、実際美味しかったが、しかしなぜ、かき氷屋のかき氷というのは、こんなに山盛りにするのだろう。最後まで気持ちよく食べられた試しが無い。ただ、味は大変良かった。
大洲は良いところだった。今度は1日かけて巡りたい。
少し列車で、さらに南下し、一つ見たかったものを見に行く。
マンモスである。
別にタイムスリップしたわけではない。こいつは藁でできている。わらマンモスなんて呼ばれてる。
2時間ほど、この辺で写真を撮っていた。暑すぎて死にそうだったが、列車が少ないので仕方がない。
通過する車の中には、路肩に止めてスマホで写真を撮っていくような人もいて、結構おもしろい。
日暮れる頃に松山に戻り、同じ宿で連泊した。
明日は松山を歩いて気になっていた駅にも寄り、本州のほうへ船で渡ることにしていた。
昼食は、教えてもらっていた店があったからそこに行く。レストラン野咲というところだ。
ピーナッツバターみたいな甘いソースが掛かっている。美味しい。
松山を去る前に、みかん色の路面電車を撮っておく。
海の見える線路を辿り、行きたかった駅へ向かう。今日は幸いよく晴れている。
梅津寺駅である。有名な海の見える駅だ。
私は3年ほど前に訪れたことがあったけれど、その時は天気がよくなかった。海の見える駅には晴れているときに来なければならない。
ハンカチが沢山括り付けられている。それに交じってリラックマも置かれていた。
列車に乗って、松山観光港へ向かう。いよいよ愛媛とお別れだ。
列車の終点、高浜駅に到着。なかなかいい。
駅前にはすぐに港があり、船が出ている。
現在では本州や九州方面の船は松山観光港から出ていて、こちらからは周辺の離島への船が出ている。
時刻を見ると、意外とちょうどいい船があったりして、予定を変えて島に渡ってしまおうかとも思った。
駅前の売店は素晴らしい。味がある。DPEとか書いてある。しかしたぶん現在はDPEなんてしてないんだろう。違うだろうか。
松山観光港へはバスで2分。歩くと10分なので、普段の私なら歩いていただろうけれど、これまでに乗り遅れなんかをしていたため、時間が無くなってしまっていた。
いざ、広島県・呉へ。
実はこの旅は、関西から松山、そして呉を通って九州へ向かう旅であった。
この前に投稿した阿蘇の旅行記↓は、この旅のすぐ後の話であったのだ。
呉の旅行記も、近いうちに投稿するから、しばし待たれよ。
ありがとう。