トドメを刺したのはチャイコフスキーの音楽
人生で初めてバレエを観た。
「人生で初めて」って良い。ちなみに先週、人生で初めてボルダリングをやった。25年近く生きてても、やったこと無い事ってまだまだあるんだなぁ、とか思った。
で、人生で初めて観たバレエの感想は、
思ってた100倍くらい良かった…
こういう舞台ものはもともと好き。小学生の頃に区民ミュージカルに出たり中学で吹奏楽部だったりしたこともあって、舞台に立つ側の気持ちが分かるのもあるし、単純に生オーケストラめちゃくちゃ好き。
ただ、矛盾してるんだけど寝がち。
数年前に観た劇団四季のリトルマーメイドもちょっと寝たし、確か宝塚のベルサイユの薔薇でもちょっと寝た。
極め付けは学生時代、ファッションショーでちょっとだけ寝たこと。
マジでありえない。と友達に言われた。ズチズチ系のディスコサウンドの中で、スピーカーの真隣の席で、寝た。どうやら私は暗闇の中に座らせられるとちょっと寝ちゃうみたい。(本当に全部「ちょっと」なんだ)
そんな感じでまあ、今回のバレエもちょっと寝るだろうなとは思ってた。結論から言うと、ちょっとは寝た。(でも過去最高レベルの「ちょっと」!)
言い訳みたいかもしれないけど、寝るっていうのはつまらないから寝る訳では無いんだよな。
小学校の時の音楽の先生(アフロの眼鏡のアロハシャツおじさん)が「高いお金を自分で払って見に行くオーケストラの演奏で、気持ち良くてスヤスヤ寝ちゃうのも一つの幸せなんだよ」って言ってたのを何故か今でもすごく覚えてて、大人になってからすごく分かる気がしている。超気持ちいいんだよ。
だからもう一回言うけど、つまらない訳じゃ無い。心地良くて、なんだ!
で、初めてのバレエは、本当に本当に素敵だったの…
クリスマスの定番、「くるみ割り人形」。
人生初めてだし、バレエにはセリフが無いというので、一応少しは知っておかないとマズそうだな、と前日にWikipediaで色々調べておいた。
「くるみ割り人形」のあらすじ、作曲家チャイコフスキーの人生、最終的にはWikipediaで「てかバレエってなんなの」となり「バレエ」を調べた。
(まずは根本から!)
ルネサンス時代とかフランスの娯楽、というイメージが自分の中に勝手にあったんだけど、バレエが今の形となり本格的に栄えたのはロシアでのことらしい。
「くるみ割り人形」「白鳥の湖」「眠れる森の美女」、この3つが3大バレエと言われるらしく、全ての作品の作曲を手掛けているのがロシア人のチャイコフスキーなんだって。
バレエという1つのジャンルを制するチャイコフスキー。凄。
Wikipediaで調べていたら、チャイコフスキーは中々恋愛経験が豊富だった。結婚に失敗して自殺未遂なんかもしたらしい。
私はWikipediaで作家やアーティストの生き様を調べがちな女なんだけど、偉人ほど恋愛面ドロドロ率高めな印象。
個人的に「ふーん、オモシレー男。」ってなるのはピカソ。14万点以上の作品を手掛けたピカソは超ーーーー浮気男。なんせ「女からインスピレーション受け男」だったらしく、女が変わるたびに作風が変わるという話。
ピカソの絵って本当に同一人物が書いたとは思えないくらい大胆に雰囲気が変わるから面白い。けど、この情報を知ってからピカソの絵を見る度に「私がピカソの女でこの絵を描かれたらどう思うかな…」と必ず考えるようになってしまった。
(冷静にこんな絵描かれたら「ピカソ…????汗」ってなるだろ。)
なんかピカソの話になっちゃったけど、Wikipediaですぐ調べ女的には「恋愛経験豊富な偉人」の作品は素晴らしいということで間違い無いでしょう。(誰)
つまりチャイコフスキーの手掛けた音楽は素晴らしいに違いない!どの曲か知らんけど!っていう気持ちで臨んだ。
そしたら、
(ふーん。この曲知ってる。チャイコフスキーなんだ〜。…えっ、この曲も知ってる…!チャイコフスキーなのね…。………えっ、この曲も…?!!)
ってなった。聞いたことある曲まみれでチャイコフスキー様恐るべしだった。
何も知らないよりも、知っている曲が多い方がそりゃ楽しいよね。
あと、セットでお菓子の国が出てきた時、お城(?)がロシア過ぎて感動した。屋根が丸かったのだ。
(こういうのを彷彿とさせる舞台セット)
私は思い込みが激しいから、事前に調べてなかったらフランスやドイツのお城をイメージしてしまってたと思うし、挙げ句の果てにはモスクみたい…?くるみ割り人形の世界ってイスラム圏なの…??とか思っていたに違いない。調べておいてよかった。
そんなこんなでバレエ鑑賞中の私は、
この曲知ってる!セット凄!子役可愛い尊い!この曲も知ってる…!衣装も可愛い!え、この曲もくるみ割り人形なの!?王子イケメンだな…めっちゃロシアじゃん!うわこの曲も知ってる!!!
てな感じで大忙しでワクワクしっぱなしだった。何度も言うけど、バレエ、めちゃくちゃ楽しかった。
バレエの前に、一緒に観に行った友達と恵比寿で少し高めのランチを食べた。集合したのが14時半だから結構遅めのランチ。
以前も行った事がある所で、その時は値段を気にせず食べまくったら私達に見合わないほど高額になっていてゲラゲラ笑った。
そのレストランのウニのパスタが食べたかったのに、ウニは無かった。
年末だねぇ、と言いながらワインを飲んで、ウニは諦めて美味しいご飯を食べながら今年を振り返ったら、お互いにほぼ仕事の話しかなかった。
贅沢にS席でバレエを観ることも、ゆっくり集合して恵比寿でお高いランチを食べることも、「私たち仕事頑張ってるからいいよね!」と言えるほどに私たちは今年も頑張った。
自分で選んだ好きな仕事とは言え神経使って緊張感のある毎日を過ごしていたら、本当のリラックスの仕方を忘れてしまっていた気がした。
バレエ鑑賞を終えた私たちは、「副交感神経〜って感じだね」「わかる」と何とも頭の悪そうな感想を呟いた。
美味しいランチでお腹いっぱいの私達に、チャイコフスキー様がトドメを刺した。
穏やかな気持ちのまま、くるみ割り人形の音楽を思い出しながら眠った。クララや王子が踊る足跡も、今ならまだ思い出せる。
贅沢な土曜日。
来年はこういう日をもう少し増やしていけたらいいな。