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映画が与えてくれるものは、あまりにも多過ぎる

映画が好きだ。ずっと昔から好きなわけじゃなくて、割と大人になってから好きになった。

お恥ずかしい話、「映画好きな人ってなんかカッコいい」と思ってたから見始めた。「趣味:映画鑑賞」って書きたくて。とりあえずひたすら名作を観てみたり映画好きな友達にオススメを聞いてみたりした。

そんなことをし続けてたら、勝手に好きになっていた。暇な日は一日2本観たりして、自分の好きな映画のジャンルが分かってきてからは新作情報も耳に入るようになった。「趣味:映画鑑賞」が嘘じゃなくなった。

「なぜ映画が好きなのか」と聞かれたら、私は「与えてくれるものが多いから」と答える。

私の思う、映画が与えてくれるものとは。

○知らない世界を見せてくれて、新たな知識のきっかけをくれる

合ってるんだか間違ってるんだか怪しい私のウンチクみたいな知識の多くは映画を観たのちWikipediaでガンガン調べまくって得たものが多い。

「存在の無い子供たち」で途方も無い本物の貧しさを目にして、子供をちゃんと育てられない親への怒りと、その親もかつてはこういう子供だったという現実と、世界のどうしようもなさに絶望して1日落ち込んだ。

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「ライフイズビューティフル」で、虐殺される側の気持ちになりながら、地球上で起こる虐殺の歴史を調べ上げたりした。人間じゃないような扱いをされる人々の目が、しばらく頭から離れなかった。

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「ライオン」でインド国内の迷子の子供の人数に驚愕して、ドン引きして、怖くなった。それは私の知ってる迷子じゃなかったから。

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「裸足の季節」で、この時代にまだこんな考え方してんのか、と怒りが込み上げるようなトルコの田舎の日常を見せられて、主人公の父親に殺意が湧いた。女という立場の弱さも痛いほど感じた。

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「マイフレンドフォーエバー」を観て、自分のエイズの知識の無さに引いたし、友達が死ぬのを想像してめちゃくちゃ泣いた。

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こういう社会問題や事実をテーマにした実話ありきの作品は、何も知らないでボケっと生きている自分を殴りたいような、何も出来ない不甲斐なさとか、そんな気持ちを湧かせてくる。

自慢じゃないが私はマジで歴史や社会情勢の勉強をしてこなかったから、そこら辺の知識が浅い分気持ちを揺さぶられる度合いが高いんだけど。

それにしても映像にして生々しく見せられること、2時間近く問題の当事者だったりする主人公を見ていること、これだけでも充分興味を持つ材料になる。

「あの映画を観てなかったら知らなかった」と思える知識が、私にはあまりにも多過ぎる。


〇映画の世界観に溶け込む、数え切れないファッションアイディア達

ファッション系の映画はドキュメンタリーもそうじゃないものも観るようにしている。これは仕事柄勉強の為、もしかしたらデザインに役立つんじゃないかと、ストックできる材料になる。好きで観てるだけなのに、勝手に仕事の役に立ってるの、ありがた過ぎ。

「ストーリー・オブ・マイライフ」の衣装は100年近く前の服なのに、現代人の心までもくすぐってくる。レースとか壁紙とか家具とかレトロな色使いとか、廃れないファッションディテールを目の当たりに出来る。

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「グランドブダペストホテル」を含むウェス・アンダーソンの作品は、色使い、物語のテンポ、音楽、全てがセンスの塊で、可愛いなんて言葉で片付けたくないけどとにかく可愛くて、真似できないけど参考にできそうな何かを探してしまう。

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「映画とファッションは切っても切り離せない」って、何かで読んだな。本当にそう思う。映画の世界観を作り出すのは、間違いなくファッションだから。


○音楽、言葉、表現。映像じゃ無い所からも「感動」を与えてくれる

「感動を与える」は全映画のテーマだと思ってる。(勝手に)

私はほとんどの映画に対してちゃんと感動してると思う。感動っていうのは涙を流したり胸が熱くなるやつだけど、きっかけは様々。そのきっかけは映画の数だけある。映像だけじゃなくて、音楽や台詞や製作者の思いまで。感動したくて、私は新しい映画を観る。

「ニューシネマパラダイス」の有名なテーマ曲は、何回聴いても目が潤む。一曲を通して物語が進むからか、主人公トトとアルフレードの歴史がその一曲みたいに思えて、ラストシーンを思いだして泣きそうになる。

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こういうのも、爆音大画面の世界に集中する映画だからこそ可能な感動だ。爆音大画面の魅力に気付いてから、音楽映画だけはお金を惜しまずに映画館で観るようになった。DVDじゃダメなのだ、映画館で無ければ。

「ビフォアサンライズ」は最初から最後まで台詞が美しくて全てが名言。多分翻訳した人も天才。海外の男女はこんな会話してんの??ホンマ??ってなるけど、会話だけで1時間半飽きない映画。言葉にうっとりし過ぎて、小説を読んでいたかのような錯覚に落ちる。

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「ララランド」のラストシーンが気に入らなくてプリプリしながらエゴサーチしていたら、たまたま監督の言葉を見つけてしまって震えたという経験がある。

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こんなに綺麗な言葉で説明されたら、気に入らなかったラストシーンが全然違うものに見えて、ラストシーンだけアホみたいに巻き戻して観た。単純だ。監督の思うツボ過ぎ。

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ララランドは、今や私の好きな映画トップ10には入る。こうして新しい価値観にも気付かされることもある。


こんな風に書き出したらキリがないのが映画の魅力。本当はまだここに書きたい映画がたくさんあるのに。

映画の魅力は底知れない。昔、「死ぬまで毎日1本ずつ映画を観たとしても、追いつけないほどこの世には映画がある」みたいなツイートを観てかなり興奮した。映画の数だけ感動があるのに、映画の数は私が死ぬまで毎日観てもまだまだ存在する。なんなら増え続ける。無限に楽しみがあるってこと??エーーー最高の趣味じゃん!

「なぜ映画が好きなのか」「なぜ映画を観るのか」私を除く映画好き達はなんて答えるんだろう??

人生を豊かにするために映画を観たい。
おばあちゃんになっても映画館で映画を観て、刺激を受け続ける人生を歩みたい。


#日記 #エッセイ #コラム #映画  

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