最愛な人とお別れしたお話

前々からこの恋は幸せになれないんだろうと分かっていた。分かってはいたけど、好きな気持ちが無くならなくて、一緒にそれでもいたくて離れられなかった。

そんな私も今年で24歳。もうちゃんとした大人だから、自分の人生を無駄にすることはもうしたくないと感じて、ちゃんとケジメをつけることにした。

いざ別れを切り出そうと言葉を発しようとすると、

「ほんとにいいの?」
「好きなのに離れなきゃいけないの?」

心の中の弱い私がそう唱える。涙が止まらなかった。
ほんとに別れていいのか、自分が頑張ればそれで済む話じゃないのか、好きなのに無理やり離れることないんじゃないのか。そう思い、やっぱりなんでもないと言おうとした時、

「好きでも離れないといけない時があるよ」
「大丈夫だよ、貴方は美しいからきっと報われるよ」
「ちゃんとけじめつけようよ、また苦しむよ」

心の中の強くなろうとしてる私が唱える。
好きでも好きだけじゃやってけない時がくる、別れたからって死ぬわけじゃないし、むしろいい方向に人生が進んでくれるかもしれない。これからの自分を信じて歩いてくのもいいんじゃないか。ちゃんとしないと、ずっと私は弱くて損するだけだ。

私は、心の中の強くなろうとしてる私の手を取った。

「ごめん、別れて欲しい。」

やっとこの一言が言えた時、寂しさはあったけど不思議と今まで抱え込んでた悲しみや辛さがなくなった感じがした。


自分のことしか考えてなくて、こっちの事なんて知らないって感じであまり労りもしてくれなかった最低な貴方。けど、その中でも、辛い時は隣に寄り添って支えてくれた貴方。たまに限界が来てわんわん泣いてる私を何も言わずに落ち着くまで抱きしめてくれた貴方。いつも歩く時は歩くのが遅い私に歩幅を合わせてくれてゆっくり歩いてくれた貴方。仕事で昇格が決まったり、表彰された時に一緒に喜んでくれた貴方。ふとした時に愛の言葉を伝えてくれた貴方。最低だったけど、最愛だった。

貴方と別れて数週間が経って、貴方と一緒に暮らしてた部屋に私は今もいる。部屋の色んなところにまだ貴方の影がいて、部屋がとても広く感じてたまに泣いてしまう。でも、不思議と私の情緒は貴方といた時よりも安定している。

嫌なところもあったけど、貴方がいてよかったと思うこともたくさんあるよ。今までこんな情けない人間をたくさん愛してくれてありがとう。とても幸せだった。

貴方との思い出も胸にしまって、私は私が幸せになるためにこれから生きるね、またどこかで会ったらお互い幸せになってたらいいね。ばいばい、またどこかで。

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