嵐のアンコーナでQRコード、サバ、村上春樹そして谷崎潤一郎。ニッポン三昧。
アンコーナキャンピング3日目は前日の雷は収まったもののお昼から嵐。
このアンコーナのビーチはビーチレストランも予約なしでは入れないくらいのグルメスポット。
お目当てのレストランもディナー予約出来ずにランチに訪問。(ランチも前日予約)
ちょうど嵐が始まり、アンニュイ雰囲気。
まず、席に着いたらQRコードがメニューとしてテーブルに置かれます!
ヴェネチアもそのスタイルが多くスマホとWi-fi がないとレストランのメニューすら読めない世界に。
飲み物ももちろんQRコードメニュー。
私たちが注文したお料理は
前菜は〆さば的なサバのマリネとモッツァレラチーズのオープンサンド。
Herrmann のメインはマグロのハム、グリル、刺身、タタキセット。もちろんパンをお供に頂く。
私のメインは"Murakami "サバとマッシュポテトそしてなすのクタクタ煮オレンジソース。
村上春樹 "海辺のカフカ"人気にあやかってこの名前が付いたのかな?
ちなみにHerrmann はこの夏の大人の課題図書として村上春樹を日本語で読んでおります(ハルキスト)
サバには地元の白ワイン
私はサバ三昧の食事の後にシチリアの甘いワインでまどろみ、Herrmann はエスプレッソのグラッパ入りでキリッと締めました。
食後は更に嵐が激しく。
翌朝はお天気回復。しかし、高波で海に入るのは危険なので私の夏休み大人の課題図書 谷崎潤一郎を読むことに。
特に興味深いのは彼の理想の御トイレが現在アジアの自然派ホテルやスパで実践されている自然の中のトイレスタイルだったこと。もちろんアジアのスパやホテルは自然に返すのではなく水洗ですが。
そして、谷崎潤一郎の日本語でドイツ語の響きの違いが明確になった事が今回の大きな気付き。
子音と母音の音の結び付きが滑らかである日本語の美しさの再発見。
とても心地よい読後でした。
日本のQRコード、村上春樹、谷崎潤一郎と嵐のアンコーナで日本三昧。
さらにサバ尽くし。
ウィーンの役所もQRコードが付いてくる書類が殆どで、あっという間にデジタル管理の社会に。迅速に行政サービスが受けられるようになった。
しかし、ウィーンでQRコードが日本で開発されたものと知っているひとは少ないし、日本食に関しても安くあるべきでリスペクトが少ない。
大抵のウィーン人は日本を捨て、素晴らしいオーストリア人になればいいと本気で勧めてくる。
日本では成果をアピールすることがあまりよしとされないが、私の住むウィーンでは大袈裟にアピールしなければ周りに認められるのに時間がかかりすぎてしまう。
アジア人の容姿だけで人としてのリスペクトが少ないヨーロッパでもう少し声高くに私たちの持っている素晴らしい部分をアピールするべきだと感じている。
これから日本と言う看板を背負って世界に出ていく子供たちに「出る杭は打たれる」のではなく、出なければ認められられない。そしてお互いに認め合う教育にシフトするべきではないのだろうか。
ウィーンはますます人種問題やナショナリズムが問題になって来るだろ。
戦争とエネルギー問題も深刻だ。
私は漢字、ひら仮名そしてカタカナと言う滑らかな文字を持つ私たちには西洋的アルファベット組み合わせにはない発想と発見があり、コロナ禍においても新しい生活スタートの鍵となったQR コードのような閃きがこの言語のなかにちりばめられているような気がする。
また、私の日本語力が付けばドイツ語力も伸びる気がしている。これからも日本で本を読む習慣を続けていきたい。
ビーチのテントでいろいろ考えすぎたので、これから高波も収まりつつある波と戯れてきます。
アンコーナ