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推し活で沼を知る
いつもの通勤電車を降りて歩いている時、
ふと、あるダンスボーカルグループの巨大ポスターが目に飛び込んできた。
構図が好みだったし、白い背景に黒い衣装の人が多く白黒写真好きとしてグッときて胸を掴まれた。
それから毎日、通勤のたびにそのポスターを見ては体温が1℃上がってホカホカで出勤できた。
そのグループの名前は、BUDDiiS。
MiiRAI というタイトルでツアーをしている最中らしかった。
名前は知っていた。放送終了から2、3年経っているが私の中ではドラマ『君の花になる 』ブームが再来しておりドラマ内のアイドルグループ8LOOMの音楽を聞きコンテンツを見漁っていた。
そこにBUDDiiSの森愁斗くんが出演していた。
役と本人を行ったり来たりする絶妙なバランス感で魅せる8LOOMが好きで、ドラマ内の設定からはみ出ることがない偶像の最たるものだと思って偶像崇拝として安心して推し活なるものを楽しんでいた。
そこにきてBUDDiiSのポスターに魅入られた。
語弊を恐れずに言えば、実在するダンスボーカルグループなりアーティストなりアイドルを好きになるのはしんどい。同じ時代を生きてる喜びはあるけれど、その人達にも人生の目標や夢や望みがあり苦悩や涙があって、そのリアルを見たい人にはいい時代だけど、私は見たくない。だけど見えてしまうSNS時代。
脱退や解散に怯え成長という名の変化に胸を痛め、
推しは推せる時に推せって、今がいつまでも続くと思うなよって事じゃないのかな。なんて。
リアル向いていない。偶像崇拝させてほしい。
てなわけで、出演作の中での演技が全てで裏の姿が見えない俳優好きとしては、彼らは刺激が強すぎる。
しかし心はすでに囚われていて体温上昇中、、一目惚れは信じたい。
気付けばYouTubeを見ていて全員の顔と名前がわかるようになった。
そんな時、偶然が重なり予定が白紙になったので、滑り込みでなんとかチケットを入手してBUDDiiS MiiRAIツアーに行ってみた。
一言でいうと、多幸感!!!
最後列だったし豆つぶサイズの彼らの表情とかはよくわからなかったけど、歌とダンスがとにかく凄かった。
激しく踊っても声量ぶれずに伸びやかに歌っていて、切ない歌は胸がギュッとなり明るい曲は楽しさが伝ってくる。そしてなんと、滑るように軽やかに華麗にヒラヒラと踊っていて、重力とか圧とか疲労なんて感じてないんじゃないかってくらい滑らかだった。
正真正銘のダンスボーカルグループのライブを初めて生で見て、見ているだけなのが申し訳ないくらい全力なパフォーマンスに感情を揺さぶられた。最高の体験。
そしてMCも素敵。
応援されるだけじゃなく応援したいんだと言う姿にはっとした。
ファンの子たちと一緒に成長しながらそれぞれの夢を叶えてこんな大人になったよって報告し合う関係を目指してるのかなと思えてそれもまた知らなかった世界。
知らない世界を覗き見したらキラキラしていて熱くって、優しい世界だったから、腐らずにもう一度夢を描くのも悪くないなと思えた。
それにしてもこれはもうすっかり沼に落ちている。