新卒入社した会社を1か月で辞めた件について③
〇転職サイトに登録、そして両親へ相談
精神が追い詰められていた僕は、気づいたときには転職サイトに登録し、
時間を見つけては興味のある企業の情報などを調べるようになっていた。
そうすることで、現状から目を背け、未来に少し希望が持てたのだ。
しかし、それでもさすがに精神が限界に来ていた僕は、
興味を持ったとある会社の応募ボタンを衝動的にクリックしてしまった。
というのも、
その会社の応募締め切り日と、自分の精神のピークが重なっていたのだ。
(結果的にこの会社が現在勤めている会社になるのだが)
しかも、なんと翌日に書類選考通過の連絡がきた。
転職活動が、順調に進んでいってしまったのである。
こうなった以上、両親に報告しないわけにはいかない。
僕は意を決して両親へ電話をかけ、ありのままを伝えた。
今の仕事がつらくて精神的に追い込まれていること、
転職活動を始めていること、
選考が進んでいる企業があること。
元来心配性な母親は、「つらかったね」と慰めてくれた。
しかし、父親は違った。
「その考えは甘い。せめて3年は耐えろ。」
父親ははっきりとそう言った。
当時の僕はその言葉を聞いて、「どうしてわかってくれないんだ」と、
その場で泣き崩れてしまった。
だが、これも今思えば、父親なりの愛のあるアドバイスだったのだ。
というのも、父親も何度か転職を経験している身であり、
転職の道がどれほど厳しいかを身に染みてよく理解していた。
時にはブラック企業で働かされ、
時には父親(僕の祖父に当たる)に「働かせてくれ」と頭を下げた。
そんな父親だからこそ、息子に同じ思いをしてほしくないと、
自分に対してあえて厳しい言葉をかけてくれたのだ。
しかし、それでも僕の気持ちは変わらなかった。
新入社員の自分が何をしたところで、会社が変わらないことは分かり切っていたし、現状のまま3年も過ごすのは考えられなかった。
であれば、環境を変えるしかない。
何度も話し合いを重ね、最終的には両親とも理解してくれた。
あの時の父親には、本当に感謝している。
普段がとても温厚な分、いつもと違う厳しい言葉をかけてくれたことで、
事の重大さや転職の厳しさに改めて気づかされた。
やはり親というのは偉大なものだ。
〇転職活動、開始!
両親に相談ができたところで、本格的に転職活動を始めることにした。
まず行ったのは転職エージェントへの相談。
新卒の時みたいに、学校がサポートしてくれたり、友達に相談できるわけではないため、まずはその道のプロに聞くのが一番だろうと思い、
転職サイトを通じてとあるエージェントの方に面談をしてもらった。
だが、ここでは僕の期待していた答えは出なかった。
もはや何を言われたのかもあまり覚えてはいないが、とにかく
自分が希望していた職種・業界とは全く違う企業を勧められ、
「この中から選んでください」
と言われた。
当然そんな企業に行きたいとは思えず…ここで僕はエージェントに頼ることを諦め、最後まで自分の力で転職活動を進めることにした。
となれば、先述の書類選考を通過した企業があるから、
まずはこの企業の面接を受けてみよう。
結果が振るわなくても、元々ダメもとで衝動的に応募した企業なのだから、
ここから地道にがんばっていこう。
こうして、転職活動で初の面接を受けることになった。
そして迎えた一次面接当日。
正直この時の記憶はほとんど残っていないが、
「入社してたった1か月で転職活動をしている」という経歴を、いかにプラスに見せるか
ということをひたすら考えて話していたと思う。
その結果、なんと一次面接は合格!!
面接は2回の予定だったため、次が最終面接であった。
〇いざ、最終面接へ
そして迎えた最終面接当日。
僕に相対するは、会社の社長、取締役員、専務と3対1の構図だ。
そうそうたる面子に迎えられた僕は、これまでの人生で一番といっても過言ではないくらい緊張していた。
面接で印象に残っているのは、
「なぜそんなに早い時期に転職活動をしているのか」
「今の企業はどんなところが良くなかったのか」
といった早い時期での転職活動の理由を深堀されたこと。
やはり雇う側からしても、前職での経験や辞める経緯は一番気になるところなのだろう。
僕は緊張で身を震わせながらも、正直に自分の気持ちを伝えていった。
そうして面接が進んでいくと、専務から会社の採用条件についての説明に。
詳細が記載されている1枚の書類を手渡され、全体に目を通した。
どれどれ…ん?
んん?
んんんんんんんん????????
絶賛内心戸惑いまくり中の僕に、専務から一言。
「これまでの面接を通じて、我々としては是非にいちさんにうちに来てもらい、活躍してもらいたいと思いました。面接の最中ではあるけれども、本日内定をお出しします。」
あ、あぁ~。なるほどですね…
ええっと…
ゑ???????????????????
ここで僕の転職活動は終了した。
ここまでご愛読くださり、ありがとうございました!
にいち先生の次回作にご期待ください!
(④に続く。)
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