休日の過ごし方【AM編】
刑務作業がある平日は時間が経つのが早い。
「喋れない・脇見できない・動けない」
厳しい条件の刑務作業だが、その分時間はすぐ過ぎる。
一方、休日は特にやることがない。
その辺りを細かく、時間を記しながら話していこうと思う。
①7:00 起床
起床時間は一斉放送でチャイムが鳴る。
学校で流れたチャイム「キンコンカンコン的」なやつだ。
点検に向けて、布団を畳んだり洗顔したりする。
職員が点検時に整理整頓も確認するので、綺麗に整える。
布団の畳み方、服の畳み方、タオルの掛け方など。
ただ、平日に比べると皆ゆっくり目に用意する。
②7:10 点検
平日同様に点検が行われる。
職員が巡回する廊下方向を向いて正座若しくは安座する。
どちらかと言えば、正座する者が多い。
職員が、「番号っ!」
と聞いてくるので、
受刑者が、「〇〇番っ!」
と称呼番号を応答する。
ただ、受刑生活が長くなると色々と試したくなる。
自分の称呼番号をはっきり言わなくなったり、
あえて違う番号を言ってみたりする輩が出てくる。
③7:20 朝食
点検が終了したら直ぐに配膳係が出室する。
準備が出来次第、配膳が開始される。
刑務作業がないので、ゆっくり食事をするかと思いきや、
皆、食べるペースを変えないのであっという間に終わる。
実はこれには理由がある。
配膳係は40分間の報奨金しか発生しない。
時間が掛かって40分を超えても残業代はない。
逆に、40分掛からないで終わっても全額支払われる。
つまり、配膳係が早く帰りたいので、食べるのが早いのだ。
その為、結局は平日でも休日でも食べる時間は変わらない。
④余暇時間
食後は、昼食まで余暇時間となる。
それぞれ好きなことをする。
雑居だと、この時間に部屋の掃除をすることが多い。
全員で作業分担して、トイレ・シンク・畳・棚など、
一斉清掃するのだ。
まあ全員というのは表向きで、下っ端が掃除をする。
その辺りは居室ごとのパワーバランスや考え方による。
⑤テレビとラジオは10:00~11:30
受刑者の楽しみの一つ、テレビとラジオ。
勝手に点けることが出来ない。職員が一斉に視聴させるのだ。
巡回する廊下にスイッチがあり、時間になったらONにする。
優しい職員は5分前くらいからONにしてくれる。
ルールに厳格な職員は、時間丁度にONにする。
適当だったり、やる気のない職員は必ず遅れる。
遅れても謝ったりはしない。指摘されると逆切れする人もいた。
⑥着座位置も決まっている
単独室(独居)は、職員から見て部屋の左側に着座しなければならない。
テレビを見る際も場所は変えてはならない。
そして、「壁に背中をつけてはならない」のだ。
これは「常時」の決め事だ。これがキツイ。
なんせ、一般社会で背中を付けないで過ごすことが
ほとんどないからである。
ただ、「職員が見ていないから少しは良いだろう。」と、
気を抜いて背中を付けると、
「おいっ!もたれるなっ!」
と、大体バレるのである。そしてやりすぎると「調査・懲罰」となる。
⑦過ごし方で将来が決まる
雑居で勉強するのはなかなか大変だ。
テレビを観て笑う者もいれば、囲碁将棋をする者もいる。
雑談をしてワイワイする者もいる。
そんな中勉強するのは、相当強い意志が求められる。
本気で勉強したい者には、耳栓を購入することが許される。
独居は自分の意思次第なので、逆に耳栓を購入することが
許されない。
どちらにしても、余暇時間を過ごし方が将来を決める。