ゲームの感動を映画でも。ただし提供は本家本元で。『スターシップ・トゥルーパーズ』が『HELLDIVERS 2』のおかげで再燃
かねてよりエンターテイメントはもっと横断的に捉えるべきだとの思いを募らせてきたし、特にゲームにはその眼差しを強く向けるべきと考えている。
ゲームのように「オタク」文化にとして扱われやすいエンタメは、世界がy軸だけで完結しているという印象を持たれやすいし、プレイヤー自らもそうであるという「誤認」が広がっているように感じる。
実際に蓋を開けてみると、ゲームはゲームの文脈のみにあらず、多様なエンターテイメントのエッセンスを継承されながら、刺激的な体験をプレイヤーに提供してきたのだ。『MGS』シリーズでお馴染みのゲームクリエイター、小島秀夫氏などはその典型であり、そもそもクリエイターとして黎明期より活動してきた人の多くは、とにかくバックグラウンドが多様である。
PSスタジオの元で開発され、発売から一週間も経たずに想定を上回るヒットを放った『HELLDIVERS 2』もまた、ゲーム以外の世界からもたらされたアイデアに強くインスパイアを受けた作品だ。
“HELLDIVERS 2”の成功でバーホーベン監督の映画「スターシップ・トゥルーパーズ」がデジタル視聴ランキングの上位に急浮上 « doope! 国内外のゲーム情報サイト
未知の惑星で迫り来る昆虫のような巨大生命体を、チームワークで薙ぎ倒していくこの作品は、誰がどう見ても名作アクションSF『スターシップ・トゥルーパーズ』のエッセンスを感じずにはいられない。
カルト人気を誇るこの作品はあらゆるゲーム作品に影響を与え、日本では『地球防衛軍』シリーズが最も有名だろう。『スターシップ・トゥルーパーズ』はそのままゲーム作品として移植されたこともあるのだが、インスパイア作品の方が圧倒的な知名度を誇るのは言うまでもない。
迫り来る奇形の大群が与えるプレイヤーへのインパクトは、台風や雷、自身がもたらすような、原始的な恐怖に通じるところがある。
そんな追い詰められた環境が与えるチームワークは、プレイヤーに甘美なゲームプレイングを与えてくれるのだ。チームワークや暖かな人間関係に飢えた現代人は、今日も芳醇な人間関係を求めて死地へと「ダイブ」するのだ。
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