絶対に諦めない　　　　　　　最後まで抗え　　　　　　　　SC相模原　VS　松本山雅FC

相模原は前節、愛媛との直接対決で劇的逆転勝利を掴み、降格圏から脱出した。この松本山雅との直接対決に勝利すれば、残留に現実味がおびてくる。

勝たなければ降格。勝っても他会場次第で降格が決まる松本山雅。意地とプライドにかけてどんな手を使ってでも勝利を掴まなければならない。

◇スタメン

◇相模原の攻撃　

相模原はクロスからの得点は多くないがサイドを経由して崩すシーンが多い。両ウイングの組み合わせは極めて流動的だが、いずれにしろ高い位置をとってきて縦だけでなく中に入ってくる。

ビルドアップで何人か降りてきて相手を食いつかせたところでロングボールを入れて陣地を回復し、ぽっかり空いたバイタルエリアでそのセカンドボールを拾って展開していく。その時にウイングが中に入ってくることで前線の３枚との距離間が良くなり、一人の選手に預けてそこでタメを作って人数をかけて突っ込んでフイニッシュまでもってくる。

前線の３枚の組み合わせは流動的だが、ターゲットマンに平松がいて、左シャドーにはクイックネスの松橋。右シャドーには時間も作れるアグレッシブネスの清原かタメも作れて個でも剥がせる安藤のどちらかが入ることが予想される。シャドーの選手にハーフスペースを使われるとウイングが中に入ってきて厚みのある攻撃を仕掛けてくるので、山雅としてはそこのケアは90分通して集中して行う必要がある。　　　　　　　　　　　　　　　

ショートパスからの得点が多い相模原を封じるにはボランチから効果的なボールを出させないようにする必要がある。相模原のWボランチはここまで全試合出場中の川上と次世代のホープ成岡の組み合わせで来る可能性が高い。川上はボール奪取能力に長けており、視野も広く、チームの中心的存在となっている。さらに強烈なミドルシュートも持っている。成岡は高度なテクニックを持っていて、繊細なボールタッチで相手にボールを奪われない天才肌的なところがある。流れを作るショートパス、一気に局面を変えるロングパスともに精度が高い。さらにプレス強度も強い。この二人は常に前へのくさびを狙っていて、シャドーの選手もライン間で受けようと動き出しを繰り返す。山雅はしっかりと中を締めて、サイドに展開されてもついていきウイングを中に入らせないようにすることが必要になる。

相模原の厄介な点が選手交代だ。前線をかき回せる中山、アイデアマンの児玉など攻撃に変化をつけれる選手が多く存在する。山雅としてはターゲットマン、タメ、クイックネスという流動的な前線3枚をシステムチェンジなどを行って対応していきたい。

まとめると、相模原のロングボールのこぼれをいかに拾えるかが山雅の守備の時間を短くする上で大切なことになる。そしてそのセカンドを拾ったあとしっかりと取られずに繋げるかが鍵になる。　

◇山雅の攻撃

相模原はプレスをしっかりかけてくるチームでボランチやシャドーの選手に入るとボランチが一気に出てきて囲んでハメてくる。山雅としては外を使いながら中が空いたらそこに差し込んでいく形が理想だろう。ロングボール合戦に付き合いすぎると痛い目を見ることになるのでロングボールは適宜使っていくべきだろう。

相模原の失点パターンはセットプレーとクロス、クロスのこぼれ球が主。前節のセルジーニョのゴールのようにサイドをえぐってからのマイナス方向へのクロスは有効だろう。相模原は岡山戦などマイナスクロスからの失点。もしくはそのこぼれ球での失点が目立つ。　　　　　

上の画像は愛媛戦での相模原の失点シーンだが、ダブルボランチの間（センターバックの前のスペース）が空くのでそこにセルジーニョや河合らが受けてタメをつくって厚みのある攻撃を仕掛けていきたい。ライン間でボールを受けるスペースは結構あるのでどんどんボールを差し込んでいきたい。また、高い位置をとるウイングの背後を突いてライン間で受けてからのワンツーも有効だろう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

中を締めてくるチームではあるがライン間の距離は結構あるのでそこに漬け込んでいきたい。サイドチェンジをすることでスライドを連動してできず、センターバック間のスペースがぽっかり空くことがあるので、揺さぶってからのくさび。もしくは裏へのパスで局面を打開したいところだ。

プレスのところはまずスリーセンターに対して激しく寄せて、そこから何人か降りてきたところにもしっかりついていかなければならない。そうしないとロングボールを蹴られそのこぼれをウイングやシャドーに拾われる。何人か降りてきたところにしっかりとついていけばロングボールを"蹴らせる"形になるのでミスを生むことができる。たとえ競り勝たれたとしてもサポートが少ないのでセカンドボールを拾えて、完全に蓋をすることができる。ロングボールを"蹴られる"形ではなく、"蹴らせる"形にしたい。

◇セットプレー

相模原は得点の約3分の1、山雅は約半分をセットプレーが占めている。直接対決はなかなか崩すのが難しいのでセットプレーが勝敗を分けるかもしれない。

◇ゲーム運び　　　　　　　　　　　　　

山雅は先制しても追いつかれる。逆転される。追いついても振り切られる。という試合が多く勝ち点を取りこぼしている。

相模原は先制すると5枚のブロックで引き込んでくる。ほころびは千葉や甲府などの上位陣よりはあるが引かれると苦しくなる。そのため先制点は必須。できれば前半の早い時間に取りたいところだ。そして後半の頭は我慢してインサイドハーフが疲弊してくる60分頃に安東を投入してダブルボランチで守備強度をあげる。そして、相手が前かがりになってきたところでくさびを引っ掛けて追加点を奪い勝利を引き寄せたい。

◇最後に

消耗戦となると思われるこの試合。一人ひとりがいかにサボらないか。チームのために自分のサッカー人生のために足を止めないかが命運を分ける。90分通してエネルギーを落とさないために早めの交代策も必要になってくるだろう。とにかくロングボールを蹴らせてそのセカンドボールを拾い、攻撃はライン間で受ける。これを徹底して連続性をもって行えば勝機がでてくる。

山雅に関わる人すべての力を結集して『全緑』で闘い、スリーポイントを奪おう。残留に望みを繋ごう。　　　山雅はここで終わらないチーム。山雅は最後まで諦めずに抗うチーム。山雅は奇跡を起こせるチーム。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Onesoul!!