自粛を求めるなら補償もセット ― これは政府でも自治体でも個人であってもそうあるべき
自粛警察と呼ばれる行為をした豊島区役所の職員が逮捕されたそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200522/k10012441681000.html
職員であり63歳という年齢に加えて、調べに対して「感染者が増えていた恐怖から、間違った正義感を持ってやってしまった」と話していることに驚きます。
新型コロナウイルス感染症が国内でも流行をみせてからというもの、Twitterを中心によく見かけるようになった自粛警察と呼ばれる行為ですが、実は私もいくつか仕事をしている中でそうした行為に遭遇しています。
そのため、イベント関連やお店を営業している人は多かれ少なかれそういう行為に遭遇しているんだろうという認識です。
私が関わっている仕事では、それ程悪質でなく、必要以上に粘着もされていなかったですが、今回のニュースのようにたとえ脅しでなかったとしても、そういった行為(声)が多くなればやはり自粛せざるを得なくなっていきます。
大前提として、今回の新型コロナウイルス拡大防止に関連する自粛というのは、あくまで要請であり強制ではない点、そしてその要請に従わずに営業や活動を続けても違法行為ではなく罰則もない点を理解する必要があります。
仮に風邪レベルであったとしても、誰しも感染はしたくない、でも営業はしなければならない、それはなぜか?収入が減るから、この一点のみです。
政府や自治体は、本当に新型コロナウイルスの拡大を防ごうというなら「お金の面倒は見るからとにかく今は自粛しなさい」とするべきですし、一部そういう政策も実施しています。あくまで一部です。私も未だアベノマスクも10万円の申請書も届いていません。
収入源を断つ行為を要求しておいて、補填はしない、そんな無責任な行為を平然とやっていること自体が正常ではありません。
これは、個人に対しても同じです。
自粛警察と呼ばれる行為をしている人たちは、自分は正しいことをしているんだという自負があるのかもしれません。そういう心理は理解できなくもないです。
しかし、実際やっていることといえば、Twitterや場合によっては直接メールや電話などで「なんで営業しているんですか?」「今は開催するべきではありません」などと、どこからの目線で物を言ってるの?あなたは何様ですか?と思ってしまうほど軽率なものばかりです。
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためのひとつの意見であると同時に、その矛先を向けた相手には「収入源を断ちなさいという要請」であることをあまりにも意識していないです。
恐らく自粛警察に遭遇した企業であったり、店舗であったりは少なからずこう思うでしょう。
お前らが自粛している間の補填をしてくれるのか!?減った収入の責任をお前らが取ってくれるのか!?と。
自分はなんの痛みもなく正義ぶっているけど、結果的には人をおとしめているだけで、極めて無責任な行為をしてしまっているのです。
冒頭に紹介したニュースの職員もまさにそうです。63歳で職員という人生においても大ベテランの方が「間違った正義感」と言っていることに心底驚きます。
は?正義感??よくそんな言葉が出てきますね。
今回の新型コロナウイルスに関連する一連の自粛要請については、政府や自治体さらには個人レベルであっても、単純に「営業を妨害している無責任な行為」という意識があまりにも欠落していると思います。