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狭くなること・広くなること
この記事はHarpoonArrowさん企画の「War-Gamers Advent Calendar 2024」に参加しています。
トレーニングと癖、思考の幅や深さ
今年の秋以降、ゲームが弱くなったなぁ、と感じる機会が増えました(まぁそれまでも、決して強いわけではないのですが)。
「弱い」というよりも、思考に柔軟性がなくなった気がします。
ゲーム前に基本方針は描くと思います。その通りに行かないことは、もちろんたくさん起きます。その時に、基本方針をダイナミックに変更したり、基本方針はそのままで達成目標とアプローチ手段を変えたり…などのように柔軟に対応できず、最初に思った方針と手段に(無意識のうちに)拘ってしまう症状にあるように思います。
(自分の得意としない)思考ルーチンを日夜使って強く推し進める(ざるを得ない)日常生活を送っていると、悪い癖がつくのではないか、とも感じます。
市場を意識してでは無く、”決められた”ものがあって(下位のものの視点では手段が目的化しているようにも見えるのだが)、
それが上から降ってきて(納得感は脇に置いて)進めなければならない、さらに自分の先に仕事が繋がっている人や組織に向けては自分も"決められた”ものを「公理のものであるとして思い込んで」自分の先の人たちに理解してもらうことを続ける、という仕事を毎日毎時続けていると、
ふりかえってみると「答えありき」で自分が動いている(動かざるを得ない)場面が多くなっているかな、と思えます。
世の中のことって、たいていは一種の自然科学的アプローチ〜アクションと結果の觀察と、観察結果を踏まえての考察と次のアクションへのループ〜で進めるものだと思うのです。
決めつけたことを推し進める、っていわば一つの原理主義かもしれません。ゲーム脳には好ましくない環境なのかもしれません。
どう脱出すればいいのでしょうかね?
自分のその時の思考状態に気づくために、ゲームを多くするのが一番でしょうか。特に、他の方のプレイスタイルを見るのは効果がありそうです。また、プレイすることに拘らない楽しみ方を試行してみるのもよいかも…と感じています。
個の把握、空間の把握、時間の把握
考えてみたら、長いブランクの後にウォーゲームに再び接するようになって(2014年)、11年目が終わろうとしています。
ネットでゲーム会を探して、おそるおそる行ってみてからも随分経ちました。早いものです。
長期のブランクがあっても、かつてはプレイしていたのだからいけるかな…と思っても、全然イメージ通りにプレイできず、相手の方々に何度もご迷惑をおかけしたものです。
当時、ルールはなんとなくあたりがついたので理解できるのですが、
最初。1つのユニットが何ができるか、の把握で精一杯。1つ1つであれば理解していても、スタック・隣・対峙している相手のユニット…と一緒に視界に入ると把握も怪しくなってきます。
その次に、どこまで動けるか、が意識しきれておらず(移動力が大きいとわからなくなるのですね)、戦線が張れていなかったりとか。
それでやっと友軍、敵軍の把握の段階になるのですがもちろん敵軍にも上記の把握がいるわけです。
その後に、次のターンのことも視野に入るようになり、漸く時間が思考の軸に入ってきたのです。
そんなこんなですから、最初は勝利条件からの逆算ができるわけもなく(勿論ルールは理解していますが、そこに至る道を自分で描けないのですね)。
また、そんなおっかなびっくり動かしているものですから、相手の方に申し訳ない気持ちが先に立ち、当初の数回の後の数ヶ月は観戦に徹したものです。
最初は、局所的に見て選択肢が少ない方が動かしやすいですし、大局的にもシンプルに大目標を立てられる方が、やはり動かしやすいと思います。VPの多寡で勝敗を決めるのであれば、そこへの道筋が見えやすく、また道筋の数が多く無いことでしょうか。
コマンドマガジン130号「野獣げぇまぁ拡大版」で徳岡氏も以下のように論じていらっしゃいます。
初期における選択肢は少なければ少ないほど良い
目的ではなく手段に幅があると良い
その観点で助けられたゲームを3点。
「エルアラメイン」は、一部の部隊の移動力が大きく、初見の「選択肢が多い」ことが引っかかりますが、勝利条件もわかりやすくターン数も短いので、やはりとっつきやすいゲームなのでしょう(ユニットがNATO兵科記号で無ければなおよかったのですが)。大昔はプレイ経験が殆どなかったのですが、ウォーゲームに再び接するようになった11年前は何度もお世話になりました。
マップ、ユニットが大きく/多くなると、「バトルフォージャーマニー」も当時安心してプレイできたタイトルです。移動-戦闘のシークエンス、戦力比のメイアタックのシンプルなルールです。ユニットの移動力が比較的小さく移動できる範囲が限られるので考えやすかった印象があります。都市占領によるVP多寡で勝利を決めますが、連合軍の進行方向は明快なので迷いません。また、ベルリンというシンボリックな大目標があるのはとっつき易いです。日本版は今では入手しづらいでしょうか。
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北にハンブルク、南にミュンヘン(各2点)。赤はベルリン(10点)
少しルールがステップアップ?したゲームで言えば、「France'40 シックルカット」が印象に残っています。ドイツ軍の第1ターンは選択肢が少なく、また渡河をするため移動範囲が大きくありません。勝利条件はVPですが、概ね「西へ突破」の方針に含まれるのでわかりやすい部類に入ると思います。幸運だったのは、このときにVassal対戦を含め数回プレイして教えてくださった方がいたことは幸運でした。
ゲームとしての入りやすさの適性もさることながら、教えてもらえる、または一緒に学べる方がいることは本当にありがたいことです。
情報処理技術者試験を実施している(独)情報処理推進機構で、こんな資料が発表されています。
大人の学びは、かつては画一的なアプローチが主流だったのが、
コミュニティによる学びやパーソナライズされた学びへと移ってきた、との調査分析結果が記されています(「全体報告書」p27)。
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やはり、なんの気兼ねもなく一緒にゲームしたり、教えてもらったり、ゲームについて語り合える人のいる環境は、あらためてありがたいと感じます。
自分もそのようなことを他の人に提供できるようになりたいものです。
また、それにはいろんな手段〜ゲームプレイにとどまらない〜があることを感じられた2024年でした。
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2025年が良い年でありますように(私も)。
来年もよろしくお願いします。
追記:やはり、「クリスマスには」…ですよね。