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22歳、オーストラリアで出会ったタイ人との、人生最大の恋愛のおはなし。②


私がオーストラリアに着いて2週間後に、クリスマスホリデーがはじまった。

暇になることが怖かったけどそんな心配と裏腹に、彼は私を頻繁に誘ってくれた。あの帰りみちに紹介してくれた友達と彼と私は、クリスマスホリデーの間ほぼ毎日、安い韓国料理屋さんに飲みに行った。

拙い英語でなにをそんなに話したのか覚えていないけど、朝までノンストップで飲むのが定番になった。

常に3人でいたけれど、特に、彼と私の距離はすぐに縮まった。ボクシングデーには2人でショッピングをしたり、大人数で出かける時も気づけば隣にいて、公園でお酒を買って飲む時、彼はいつも私の膝枕で寝てた。

留学生同士は距離が近い。だから、こういうものだと思ってなにも気にしてなかったし、年下は論外だった私は彼のことを恋愛対象として見てなかった。

留学生活も2ヶ月が終わる頃。で、いつ付き合うの?と突然日本人の友達に言われた。この辺りから2人のことをみんなに冷やかされるようになった。

全力で否定もできなかった。明らかにほかの友達と違う存在だったから。突っ込まないでほしいところではあった。

でもその頃、私には気になる人がいた。韓国から来たばかりの、全身タトゥーでいかつい笑、優しい笑顔のクラスメイトU君。いつも私を誘ってはすっぽかした。休日1人で歩いていて、どこかで会わないかなぁなんて考えている時、ばったり遭遇した時には舞い上がった。

ある日私はU君にナイトクラブに誘われた。私たち留学生の間では、何か予定が出来たらみんな誘うのがお決まり。その日はビーチに行って疲れていたから、ダメ元でみんなを誘い、断られ、1人で向かった。U君は私に自分の友達を紹介した後、クラブの中をふらふらしながらたまに一緒に踊ってくれた。

ずっと隣にいてほしいなぁなんて思って過ごしてる時、疲れているはずの彼がそのクラブに来た。いつもみたいには踊らずに、ただ私の近くにいた。正直U君と過ごしたかった私は、戸惑いながらも気にせず過ごした。最後はU君とその友達と彼とみんなで帰った。私だけお別れした後、"家に着いたら連絡して"とだけ彼からメッセージが入っていた。

U君はだんだん学校に来なくなり、みんなで飲んだ後によく行くナイトクラブでだけ会うようになった。U君が近くにいると、彼の視線を常に感じた。U君が離れたら彼は真っ先に私の手を取って踊った。

私にとってU君は芸能人のような、ただの憧れてきな存在だった。U君〜!って私はいつも駆け寄って、はいはい、とあしらわれるような関係だった。例えU君に彼女が出来ても傷つかないなぁなんて思ってた。

…あまり仲が深くないU君に夢中になりすぎて、彼が呆れて離れていったら?ふと思った日があった。そのときに、U君よりも彼の方がずっと大切なんだ…って気づいた。


この頃私は、家が凄く嫌いで、引っ越したいと常にみんなに話してた。それを耳にした友達に、みんなでシェアハウスしない?という話を持ちかけられた。




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