ネイチャーフィールドⅩ~生命体観察マガジン(植物)2020・10 その18
自然の宝庫「ネイチャーフィールドX」の管理人、20.315です。
ネイチャーフィールドXは、私が2018年秋に購入した200坪の竹林だった場所です。ここを開墾しながら、春夏秋冬の自然について勝手に報告させていただいております。
報告するメインの生命体は昆虫類ですが、今回は植物、中でも「花」を主体として紹介いたします!
↑ ムラサキカタバミの花。
ビューティフル!です。日光に映える、鮮やかな紫色(ピンク)は自然の造形物とは思えません。
こんなにきれいな花ではありますが、庭や田畑などに侵入すると、取り除くのに非常に困難な雑草の一つです。また、日本の種ではなく、元来南アメリカからの輸入種で、環境省では「生態系被害防止外来種」に指定されています。つまり、侵略者みたいなもんです。
「生態系被害防止外来種」は4つのカテゴリーに分類されていて、ムラサキカタバミは「類型2」にあたり、「被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物」と規程されています。
つまり、研究途上にあるため、その影響度がわからない植物、という感じでしょうか。
カタバミ類は厄介な雑草ではありますが、地表を這う程度の高さなので、あまり気になりません。というか、こんなにきれいなんだから気にしなくていいんじゃないか、とも思う20.315です。
↑ こちらはお馴染みのニホンズイセン(日本水仙)ですね。
ネイチャーフィールドXと隣家の間が少し窪んでいて、湿り気がある場所なので、毎年冬から春にかけて、可憐な白い花を見せてくれます。
しかし!
花がきれいでも、姿かたちが美しくても、スイセンは全草に毒があるので、食べてはいけません!
以下は2020年6月23日に掲載された山陽新聞デジタルのニュースです。
スイセンの球根を食べて食中毒 井原の家族3人 ニンニクと間違え
岡山県は23日、スイセンの球根をニンニクと間違えて食べた井原市の60代男性と50代の妻、20代の息子の家族3人が、嘔吐(おうと)などの食中毒症状を訴えたと発表した。いずれも入院はせず、快方に向かっているという。(後略)
スイセンも、ニンニクも両方ともヒガンバナ科に属しているため、誤って近くに植えたりすると、花が咲くまで区別がつきにくいのです。球根も似ています。ニラも同様で、若い葉はスイセンなのかニラなのか区別がつきにくいため、誤食する事故が絶えません。
ちなみにニンニクの花はネギ坊主にそっくりで、ニラの花は小さな細かい花が密集して咲きます。いずれも、スイセンの花とは全く異なります。
ニラもニンニクも、市販のものを食べるのが安心です!
↑ オニタビラコ。
オニタビラコも、ネイチャーフィールドXでよく見る植物です。といいますか、これも、どこでも見かける雑草ですね。
国道沿いの縁石あたりでも見かける、生命力の強い植物です。
キク科タンポポ亜科に属しているので、食べられます。
野草は繊維質が硬いものが多いので、柔らかそうな若芽・若葉を採取しよく洗っておひたしや天ぷらにして食べるのがいいと思います!
↑ ヒナゲシの花。
ヒナゲシほど、いろんな名称を持つ花はないですね。
ポピー、虞美人草、コクリコ、アマポーラ・・・。
フランスの国花(コクリコ)であり、夏目漱石の作品名(『虞美人草』)にも使われ、スタジオジブリのアニメ(『コクリコ坂から』)にもなっています。
クロード・モネの絵画『アルジャントゥイユのひなげし』には、日当たりのいい土手の斜面にたくさんのヒナゲシの花が描かれています。
パッと見、いかにも外国産の植物に見えますが、見た目どおり、ヨーロッパ中部の原産です。帰化植物として、どこでも見かける野草になっています。
食用には適しませんが、花を乾燥して煎じたお茶が生薬として知られています。ケシ(←あへんが取れる)のような麻薬作用はありません。
↑ ドクダミ・・・!
名称といい、あの鼻をつく臭気といい、こうした形態からは想像がつかないくらい、ドクダミは実用植物として利用できる野草の代表です。
毒は一切ありません!
どくだみ茶、生薬、解毒剤、果ては化粧水への応用まで、あらゆるシーンで活躍しています。
20.315は、以前、市民農園を借りて野菜栽培していたことがあるのですが、ドクダミは害虫除けにも使えます。ヨトウムシやモンシロチョウなども、あの独特な匂いは苦手なようです。
大根や小松菜、キャベツなど生育中に、周囲にドクダミの葉を散らしておくと、不思議なほどに虫は寄ってきません。ただ、ドクダミも乾燥してしまうと、臭気が無くなるので効果は持続しません。ドクダミの葉っぱを常に用意するのも、結構面倒くさいです・・・。
一度だけ、天ぷらにして食べたことがありますが、においはなく、とってもおいしいですよ!
上記写真のような白い花を咲かせるのは夏です。花にも、葉っぱにも、やはり虫がつくことはほとんどありません。実は、白い花に見えるのは花ではなく総苞と呼ばれる部位で、花自体は中央の円柱のような黄色い部分です。
なぜ、白い花のような総苞があるのか、何のためにあるのか、専門家の間でも謎のままです。
虫もつかず、全草が利用できるという稀有な野草、ドクダミ。
まるで、地球上の生物とは思えません。
謎の生命体植物といえますね!
↑ アザミとその花。
花言葉は「独立、報復、厳格、触れないで」というとおり、他の植物から独立し、刈ろうとするとその鋭い棘に報復され、成長すると背丈が1.5メートル以上となり四方八方に切り込みのある葉を伸ばし、他者を寄せ付けない厳格さを醸し出しています。言外に「触れるな!」と言わんばかりです。
20.315はこのアザミが嫌いです。
鎌で刈り取ろうにも、作業手袋に容赦なく棘が刺さってきます。秋口になると全草が枯れるので、処理しますが、それでも棘は乾燥したまま刺さってきます。
とにかく、処理に苦慮する野草です!
ただ、アザミ類は食べられる野草です。モリアザミの根っこは、きんぴらやみそ漬けにされて、東北エリアなどの売店で売っています。
天ぷらとしてなら、自宅でも簡単に調理できますね!
でも、くれぐれもトゲにはご注意ください。
↑ オオケダテの鮮やかな赤い花。9月中旬に撮影。
アメリカセンダングサ、アカメガシワ、イシミカワなど緑色の野草が繁茂する中、ひときわ赤い花穂が目立ちます。美しいんですが、20.315にとっては無用なので、一瞬「うーん、きれいだ」とつぶやいた後、他の雑草同様、刈り取って処理します。
左隣に広い葉を見せているのがアカメガシワですが、これも容赦なく処理します。
アカメガシワは雑草というより、ほとんど樹木です。いや、落葉高木なので、樹高は最大10メートルに達します。こちらもネイチャーフィールドXでは、あちこちから発芽し、1年間ほったらかしにしていたら、3メートルぐらいに成長した株もありました。テンバガーどころかワンハンドレッドバガーみたいなもんです。STOCKなら大歓迎なんですけど。笑。
↑ ヤブガラシの花にとまっているのは、アオスジアゲハですね。
チョウ類についても、ここでいろいろ紹介したいのですが、写真におさめるのがとても難しく、静止していないと鮮明な写真が撮れず、近づくとパッと空に舞うため、ますます撮影が難しい・・・。
チョウ類やトンボ類は動画の方がいいでしょう、たぶん。
ヤブガラシは以前のレポートでも記していますが、食べられる野草です。花が咲く頃は、すでに成長期の終わりなのでもう食べられません。若芽の時に大量に摘んで、油炒めにして食べましょう!
↑ 今回レポートの最後は、ニガウリの花です!
ウリ科なので、きゅうりやヘチマと同じような黄色い花を咲かせます。
ネイチャーフィールドX内にある「やがて堆肥β」(伐採した竹の小枝と樹木を積んだエリア)の下部の地表にニガウリの苗を植えたら、立派に育ちました!
立派に成長したニガウリは毎週、ゴーヤチャンプルーにして食べましたが、さすがに3回も食べると飽きます。
現在は、完全放置です!
↓ その結果が、この写真です。
10月上旬までに、放置したニガウリは10本以上。こんなに黄色くなるんですね!
キュウリも、黄色くなりますが、ここまで鮮やかなオレンジ色ではありません。
これぐらいなると、このオレンジの果皮は甘くなるそうです。苦い成分が熟して変化するということですが、まだ味見はしていません・・・。
秋も深まってきました。ネイチャーフィールドXも秋から冬へと変化していきますが、また夏とは違った景色、自然、植物、昆虫を見つけていきます!
※写真は全て20.315が撮影。
※場所はヘッダーの写真「花」が都内公園、ムラサキカタバミの写真が自宅周辺で撮影したものです。他は全てネイチャーフィールドX。