ちょっとだけ:瀧村 有子
なっちゃんに新しいきようだいができました。
なっちゃんは、いままでおかあさんにつだってもらいながらも自分のことをいろいろやっていました。
ところが、あかちゃんがやってきたので、おかあさんはあかちゃんにかかりきりのことがおおくなりました。
そこでなっちゃんは、おかあさんの手をかりずにみのまわりのことをひとりでやるようになりました。
・おかあさんとのかいものときに手をつなぐかわりにスカートのすそをもつ、
・ぎゅうにゅうをコップにそそぐ、
・ぱじゃまのぼたんをとめる、
・かみのけをゴムでたばねる、 などなど。
やってみるとおかあさんといっしょにやるようにはいかないけれど、
どれも ” ちょっとだけ ” できました。
こうえんのぶらんこにも、ひとりでいってきました。
いままでは、おかあさんにおしてもらっていましたが、きょうはじぶんで
やってみて” ちょっとだけ ” ゆれました。
こうえんからかえるとなっちゃんは、ねむくなってきました。
そこでおかあさんに” ちょっとだけ ” だっこをして。。。と
いいました。
そしたらおかあさんは、” ちょっとだけ ” じゃなく、” いっぱい ” だっこしていいですか? とききました。
なっちゃんは、にっこりしながら ” いいですよ ” といいました。
そして、なっちゃんは、おかあさんのにおいをかぎながら
” いっぱい ” だっこしてもらいました。
そのあいだは、あかしゃんに” ちょっとだけ ” がまんをしてもらいました。