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僕は猫である。名前はちゃーちゃんだ! vol.3

スランプ気味のママに代わってこれも三回目になりました。

今日はね、スッキリ晴れていい気分の日なんだよ。僕だけはね。
ママはまだダメだからしばし僕から見た人間の生活を猫目線でnoteに書いていこう、って思うんだよ。ちなみに今日の僕です。

ママとりゅーすが朝にコーヒー飲んで、夕方は晩御飯食べるカウンターの上に登ったりママをフミフミするんだけどね。フミフミは毎日のママと僕だけの時間なんだよね。

でもさ、あの先週の

うわああああぁーんっ!は一体なんだったんだよっ?

って突っ込みどころ満載なんだけどさ、こないだの日曜日なんかは朝早くから二人ともお留守にして僕はまたお留守番してなきゃならなかったんだよね。

お昼寝長くしていたら暗くなってきてちょっぴり心細かったからリビングでゴロゴロしながら待っていたんだ。

話し声がする。玄関に足音がする。やぁ、ようやく帰ってきたんだな、ってまたもや嬉しくてヘソ天にゃんこの可愛いお腹でお出迎えしたんだよ。                                                  

・・・ひこうきぃー?
まさか、またもや  ちゃーちゃん、はねだだよ?  が再び・・・

ああぁ。

一昨年を思い出しちゃったよ。

そう。早いな。ママにとっては二年くらいなんだろうけどね。僕ら猫族にとっては長い長い時間が経過したんだ。

・・・ママと人間の言葉でお話しが出来たらどんなにかいいだろうな、って思うんだよね。ママは僕に話しをいろいろしてくれていてだいたいのことはわかってあげてるつもりなんだ。

ママはへそまがりで天の邪鬼で困ったちゃんで。不思議ちゃんで。

僕は7月に四歳になるんだけどね、このまま行くと僕はママを追い越しちゃう。ちびすけ猫で温室育ちのぼくちゃん猫だけど、あと数年間たてばママの年齢を追い越しちゃうんだ。

そんなことを考えていたらママは写真を見せてくれたよ。

あのねーちゃーちゃん、飛行機たくさんあったんだよ。

ママのお顔を見てみたらマスカラが溶けて目が腫れてる。

小さな声で歌を歌ってる。

ぽけー、と歌うママがいる。一人きりで。

つっぎっにひこーおーきーうぉーみぃーたーらー♪しょおじょわっしのおとぉーきーめぇーたー♪しっつっれんだとぉかーつーうーぞーくぅなぁわぁけー♪・・・かわぁーりぃにぃいわたーしがーいーきてあげよおぉおっかなあー♪
・・(   空港いたら何回死なんとあかんねんっ!自分で突っ込むか? )

歌いながらママ、自虐突っ込みしていたの僕はちゃんと聞いていたんだ。

何日何日へこんでるんだろ。

・・・りゅーすにはほんとは飛行機を見て、何を思い出したのか話せなかったんだろうな。ママ、必死だったに違いないんだ。
こらえてこらえて帰り道にあの無計画な「猫を抱えて街を出ろ!作戦」を決行した日を思い出したに違いないんだ。

りゅーすは振り返ることを嫌うけどね、僕はママにはもうあんなつらい夏を過ごしてほしくないし道連れになるのもまっぴらなんだ。

こんな生活が、平和な日々があと何年僕とママに続くんだろうか。

うっすらになっていったマンションでのかつての暮らし。
このうちにきてから過ごした時間はいつの間にかあの頃より長くなっていった。

ママとりゅーすも今は仲良しだけどさ、ふと僕は思うんだよね。

あの時のママの顔を忘れてないんだ。

りゅーす、思っていても言うのはまずかったんだよ。ママには酷過ぎた。

障害者と暮らすのはみんな嫌に決まっている。

僕だけはママの一番の理解者でいてあげよう、って。思うんだよ。

「涙」からママを守るのが僕のお仕事で。今の暮らしには僕は満足だけどママはきっとそうじゃない。ママは違うはずなんだ。

実は僕はちゃんといろいろなことを覚えているんだ。猫の小さな頭でね。

なァ、りゅーす、たまに男同士で話しをしてるつもりなんだけどさ、ママは簡単には変わらないんだよ。ってかさ、人は簡単には思いどおりには変えられないんだ。

ママは決めたらしいよ。

もう何があろうとりゅーすを怒るまい、って。

感謝と諦めが同居していて長く毎日を過ごすうちに互いの欠点も見えてきて。

そしてさ、あのママの秘密基地、兼、泣き部屋を維持しなくちゃいけないのはママとりゅーすは今は仲良しのパートナーだけど、それはとても脆い、危うい関係で。

そしてさ、ママはいつか1人きりになってしまう可能性はゼロじゃないからなんだ。

人間って紙切れ一枚で「なにか」が出来上がって、弱い立場の方はその「なにか」で安心するんだ、ってママはいう。

りゅーすとママの間にはその「なにか」は、ないんだから。

そしてママはいろいろこの二年近くを振り返りながら反省やなんやらしてりゅーすを怒るまい、って決めたらしいけどね。感謝しないとね、って。

悲しく聞こえたよ。ママの言葉。

今は仕事がないから。みんな簡単に頑張れ頑張れいうけれど。仕事にありつけず稼げなければ甘んじて諦めるしかないんだよね、ちゃーちゃん。

ママはママで真夜中に目覚めて僕を撫でて悲しそうに笑うんだ。

ママの本当の気持ちは決してあけることができない箱の中に入れて頑丈な蓋をこないだの日曜日にしちゃったんだ。

ママ、猫だけどさ、僕はママが大好きでずっと変わらないから。

僕の前だけにしてよね。泣くのは、ね。

ママを涙から守るのが僕のお仕事なんだから。

・・・

ここにコップがあります。コップに水はどのくらい入っていますか?

これ、ね、心理学らしいよ。ママは以前すかさず       水は入ってない、カラだ、って答えたらしい。

りゅーすに同じ質問をママはしたんだ。答えは七分目、だそうだ。

幸せって感じてる量らしいね。

ママの幸せの度合いはゼロだ。りゅーすはそこそこ幸せなんだよ。

りゅーすは納得してなかったよ。

僕はなにかがわかった気がしたよ。

…ちゃーすけ

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姫崎ゆー
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