働く母とは
地元に転勤してきて7か月が過ぎた。
季節は変わり、あっという間に冬を迎えようとしている。
転勤後の現在の担当業務は公共工事の入札などで、10年ほど前にもやったことのある仕事ということもあり
過去の知識や、これまでの経験を活かしながら前向きに取り組むことが出来ている。
一方、子育ての方は四苦八苦。
そもそも、実家に最も近い保育園に入園できなかったのが苦難の始まりだった。
やむを得ず、実家からも、職場からも離れた
山間部の小さな保育園に入園したものの
前園とのギャップや田舎ならではの放任主義のような保育方針が合わず…
息子は体調を崩した。
家族と相談し、私立幼稚園に転園させることとなった。
ホッとしたのも束の間、やっぱり幼稚園なので行事が多く、保護者が平日の昼間に行かなければならい場面がかなり多い。
本庁に比べれば業務量は少ないものの、出先機関は職員数が少ないので、私の場合、入札と重なるとなかなか休むわけにはいかない。
他の保護者の方々は、どうやって仕事の都合をつけているのだろう。
自分が休んでも、他の誰かが自分の仕事を率先して変わってくれるのかなぁ…
そんな私の様子を見て、母は度々
「仕事辞めてパートになれば?子供が大きくなったらまた公務員試験受けて入り直せば良いじゃない」
と言う。
昨日は、来年からの小学校入学に向けて学童に預けるかどうか相談していたところ、
「あなたは自分の仕事の都合で地元に転勤してきたけど、子供は急に環境が変わったんだから精神的にとても辛い思いをしている。学童に預けるのは可愛そう。入学後しばらくはママが早く帰宅してあげたら。」
はぁ…
どうやら母は、公務員試験を英検とか漢検と同レベルのものと勘違いしているようだ。
寿退社が当たり前だった親世代との経験の違いはどうしようもない。
説明しても分かって貰えないし、
いくら家族といえども、仕事や子育てに対する考え方や価値観は異なる。
わたしはこの仕事を辞めるつもりはない。
今年で勤続14年となったが、ここまで上司や先輩にたくさん助けていただき、育ててきてもらった。
同期や後輩にも恵まれ、まだまだやってみたいこと、勉強したいこともある。
本庁勤務の間ずっと、睡眠時間を削ってワンオペ育児を頑張ってきた。
議会や予算で激務になる時期は本当にしんどくて、何度も「もうお母さん辞めたい、仕事も辞めたい」って思った。
でも辞めずにここまで頑張ってきた。
それは、私の心のどこかしらに
仕事に対する熱意とかやりがいとかが存在しているからだと思う。
今年度からずっと希望していた出先機関勤務になり、
ようやく私なりに仕事と育児との両立を図ろうとしているところなのだから、簡単に
「仕事辞めれば」
とか言わないで欲しい。
でも、私の母のように
様々な理由で子育てに専念している専業主婦の方や
正社員からパート勤務に切り替えて短時間勤務をされてる方も
大勢おられることも理解している。
子供の性格が一人ひとり異なるように
母親の考え方だって一人ひとり異なる。
みんながそれぞれの考えを尊重しつつ
どこかで折り合いをつけていかないと
共生社会っちゅうのは難しいもんだとつくづく思う。
自分の信念は曲げる必要はないけれど、でもどこかで折り合いをつけないと…
あぁ!
今日はウジウジ考えすぎた。
私が子連れ赴任を決意したとき、
「素晴らしい選択だ!」
と応援してくれた前所属の上司と先輩の顔を思い出して、また明日から頑張る!