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現代アート15-C アグネス・デネス



作家情報

Agnes Denes / アグネス・デネス 
1931年、ハンガリーのブダペスト生まれた、ニューヨーク在住
スウェーデンで育ち、米国で教育を受けた。彼女の展覧会のキャリアは1960年代に始まり、世界中のギャラリーや美術館で450以上の展覧会に参加している。コンセプト・アーティストの第一人者であり、幅広い媒体で制作された作品で国際的に知られている。科学、哲学、言語学、心理学、詩、歴史、音楽を探求するデネスの芸術的実践は、その美学と社会政治的思想との関わりにおいて独特である。環境アートのパイオニアである。


紹介作品

The Living Pyramid / 生きているピラミッド〉2015-2022

2017年にドクメンタ14で展示された〈The Living Pyramid〉
Photo: Nils Klinger
2015年にニューヨークのソクラテス彫刻公園で展示された〈The Living Pyramid〉

導入

本作は、2015年にニューヨークのソクラテス彫刻公園で最初に建設され、その後、2017年ドクメンタ14の一部としてカッセルのノールシュタット公園で建設され、さらに、2022年にトルコのサクップ・サバンチュ博物館の庭園に建設された継続的なプロジェクトである。

形状

高さ9メートルの巨大ピラミッドの4面が植物を植えられる形状になっている。デネスは、このピラミッド形状について、エジプト祖先のそれとは、ほとんど関係いておらず、むしろ、人類の問題や懸念事項に答え、善意の解決策を模索することを目的とした視覚哲学の形で社会構造を現わしている、と述べている。エジプトピラミッドの形状的差異は、空に向かって高く伸び続けていくような弧を描いている点であろう。

素材

  • アーティストと共同で選ばれた約600種に属する2000の植物と花

  • 4トンの土

  • 土台となる木造のピラミッド

  • 植物や花を植えるためのボランティア(自然環境に目を向けるための教育プログラムとして機能する)

効果・意図

  • 付随する教育プログラムを通じて活性化され、環境意識、保全、持続可能性を促進します。その意味では、草や花で構成された作品であるだけでなく、それらを植えるために集まったコミュニティの作品でもあり、ある意味ではパブリックアートプロジェクトです。また、その建設、植え付け、継続的な手入れに責任を持つ人々のミクロ社会を育成する社会構造と見なすこともできます。彼女のすべての作品と同様に、デネスは、ピラミッドの参加型の性質を通じて、私たちの地域および地球環境を保護するための倫理的責任感を生み出すことを目指しています。※2022年にトルコのサクップ・サバンチュ博物館の庭園での声明より抜粋

制作方法

※2015年のソクラテス彫刻公園での制作写真

土台なるピラミッドを木材で制作する
植物が植えられるように組み立てる
床を水平にするためにコンクリ―トを打設する
現地に部材を運ぶ
現地で部材を組み立てる
ボランティアがピラミッドに土を敷き詰める
クレーンでピラミッド上部を持ち上げる
クレーンでピラミッド上部を設置する

2015年、ソクラテス彫刻公園での制作手順がわかる映像  約2分


引用まとめ



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