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現代アート11-G エクトール・サモラ



作家情報

1974年メキシコシティ生まれ。サンパウロ在住。インスタレーション、彫刻、ドローイング、ビデオ、パフォーマンスといった表現言語を横断しながら、建築的な構築物への関心と、人間の些細な行動とを組み合わせていく。その際、公的で具体的な作品を制作するが、 決して独断的な形式主義に陥ることはなく、社会的構造と芸術作品が、互いに関連しあうことを立証するのである。


紹介作品

EMERGENCY / 緊急〉2024年

〈EMERGENCY / 緊急〉のパフォーマンス風景
展示会場に残された残骸
パフォーマンスで粉砕した陶器

導入

個展となる「EMERGENCIA」のオープニングで行われた作品。

形状

展示会場の中と外に約30人のパフォーマーが配置され、壺の山から、別の壺の山へと人が投げ渡し続けている。行為中意図せずに起こるミスによって、壺を割ってしまうことがあるが、そのミスが許容されている。パファーマーの顔は笑顔で、ときどきパスを要求したり、ミスを励ましたりする声が聞こえている。

素材

  • 壺型の陶器(推定500個)※数10個に1個は壺の中に黄色や橙色の砂が入っている。

  • 全身黒の服装をした男女パフォーマー(約30人)

効果・意図

社会で行われている流通を抽象化しており、与える・受け取るの間に生じる事故に注目させる。この事故は偶然起こってしまったできごとのように見えるが、実は、作家が仕向けた必然的な事故(壺の中に砂を入れ重くする)である。いつ割れてしまうのかわからない陶器が空中を舞うとき、会場に緊張感が与えられる。また、割れたときの開放的な音が緊張から解き放ち、一種の快感が与えられる。

展示風景

引用まとめ




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