現代アート07-B 蔡國強
作家情報
1957-
中国
ニューヨーク在住
紹介作品
「いわき白天花火《満天の桜が咲く日》」 2023年6月26日
※映像 約5分
導入
国立新美術館で2023年6月29日に始まる大規模な個展「蔡國強 宇宙遊 ―<原初火球>から始まる」に先駆けた関連イベントとして、サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロのコミッションワークとして「満天の桜実行会」の主催によって開催された。
素材
福島県いわき市にある四倉海岸
色のついた火薬4万発の花火 ※発煙筒のような煙だが、特定は不可。作品のように色がはっきりしていて、煙が濃くて、長時間消えないものの特定は不可。
寸法
幅400メートル 高さ130メートル
構成
「地平線 ー白い菊」「白い波」「黒い波」「記念碑」 「満天の桜」「桜の絵巻」の全6章で構成され、時間は約30分。東日本大震災の犠牲者を慰霊する「地平線─白い菊」、津波を表す「白い波」と「黒い波」、記念碑のようなモチーフで追悼の意を示す「紀念碑」、桜の花びらを思わせる「満天の桜」と「桜の絵巻」で構成された。
※当初、他二幕を予定していたが、花火の砲弾を搭載した450機のドローンが不良により飛ばず。
※以下は、実現しなかった残りの二章。
効果・意図
「この土地で作品を育てる、ここから宇宙と対話する、ここの人々と一緒に時代の物語をつくる。」
「私は中国南東部の福建省で生まれ、小さい頃は台湾との関係で争いが日常的にありました。火薬そのものは戦争でも使用されるものですが、いっぽうで結婚式や葬式、子供が生まれたときなどにもよく使われており、自分の生活にとても近しい存在だったのです。火薬の文化や意味を幼い頃から認識していたと言えるでしょう。私の父親もアーティストであり、彼は墨を使って絵を描いていましたが、私にとってそれは『真面目すぎる』ものでした。だから私がアーティストになろうと思ったときは、もっと野生的で自由でありたいと望んだのです。そうしたとき、火薬は手に入りやすい素材だったので、作品に使うことはごく自然なことでした」
「爆発のコントロールできないところ、不安感があるところに強い興味があります。爆発を通じて見えない世界や宇宙につながる感覚があるのです。白天花火は風が早ければすぐ流されてしまう。自然とのコラボレーションでつくるしかないのです。もし神の力が関与するならば、作品はもはやアーティスト自身をも超えてしまう。リハーサルはしません。人生と同じですね(笑)」
地域への影響
制作方法
※2025/1/1現在において、企画に協力した制作会社が特定できず。周辺企業としてあげられる業種は、特殊効果制作会社や花火総合制作会社。もしくは、作家のみで制作をしている可能性もある。
関連作品
「いわき回廊美術館(SMoCA /Snake Museum of Contemporary Art) 」2013年 キュレーション:同作家
「いわき四倉花火大会」 2023年8月
引用まとめ
美術手帳 「蔡國強 宇宙遊 一〈原初火球〉から始まる」 2024/12/31現在
Tokyo Art Beat 「蔡國強が第二の故郷いわきで見せた満開の花火。いわき白天花火《満天の桜が咲く日》レポート」 2024/12/31現在
https://caiguoqiang.com/ Cai Studio ホームページ 2024/12/31現在
旅ナビネット 「四倉海岸に咲き誇る夜空の華 2024年いわき四倉花火大会」 2025/1/1現在