現代アート07-B 蔡國強



作家情報

  • 1957-

  • 中国

  • ニューヨーク在住

東洋哲学と現代の社会問題の概念的基盤に根ざした彼の作品は、しばしばサイトスペシフィックな作品で、地元の文化や歴史を解釈し、それに対応し、鑑賞者と周囲のより大きな宇宙との間の対話を確立します。彼の有名な火薬画、爆発イベント、インスタレーションには、社会と自然の間を自由に揺れ動く2次元の平面を超えた力が込められています。

Cai Studio ホームページ 2024/12/31現在 

異なった文明や社会や人々が互いに調和・共存するための手段としてアートを捉えている。火薬は中国の歴史や人類の文化にかかわりが深く、薬の一種である一方、爆発によりすべてを破壊し無に帰し暴力衝動を発散させるものである。彼は火薬をコントロールし爆発させることで、暴力衝動や破壊を創造へと転化させ、生命や存在の根源に繋がろうとしている。

フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia) 2024/12/31現在

紹介作品

いわき白天花火《満天の桜が咲く日》」 2023年6月26日
※映像 約5分

導入

国立新美術館で2023年6月29日に始まる大規模な個展「蔡國強 宇宙遊 ―<原初火球>から始まる」に先駆けた関連イベントとして、サンローラン バイ  アンソニー・ヴァカレロのコミッションワークとして「満天の桜実行会」の主催によって開催された。

佐藤忠良の仕事には、モチーフを選び、自由に構図を決め制作する自主制作の他に、依頼を受けて制作する受注制作(コミッション・ワーク)があります。佐藤はこのコミッション・ワークこそが、社会と彫刻家を繋ぐ一つの接点だと考えました。彼のコミッション・ワークを代表するものとして、まず全国各地に設置された野外彫刻が挙げられます。自治体や企業など、様々なクライアントからモニュメントや銅像の制作を依頼されました。佐藤は仕事を引き受けると、まず仕上がりのイメージを描いたデッサンを依頼主に見せ、希望や注文を取り入れた後に、彫刻制作にとりかかりました。その仕事ぶりは芸術家というよりも、クライアントに寄り添う職人に近いものといえるでしょう。設置場所と作品テーマを関連付け、空間的要素を計算しながらポーズを考えるなど、周りの風景を取り込むように、その場所の環境や景観と調和する作品を制作しました。こうした作品の一つ一つが彫刻家として生計をたてた、社会とのかかわりを示す証といえるかもしれません。佐藤は受注制作を通して、クライアントの要望に応えつつも、作家としてのこだわりは譲らない、双方納得する作品を制作しながら彫刻家としての技を磨き続けたのです。

佐川美術館「佐藤忠良 コミッションワークの軌跡」ウェブページ 2024/1/1現在
地域の回覧板パンフレット

素材

  • 福島県いわき市にある四倉海岸

  • 色のついた火薬4万発の花火                     ※発煙筒のような煙だが、特定は不可。作品のように色がはっきりしていて、煙が濃くて、長時間消えないものの特定は不可。

寸法

幅400メートル 高さ130メートル

構成

「地平線 ー白い菊」「白い波」「黒い波」「記念碑」 「満天の桜」「桜の絵巻」の全6章で構成され、時間は約30分。東日本大震災の犠牲者を慰霊する「地平線─白い菊」、津波を表す「白い波」と「黒い波」、記念碑のようなモチーフで追悼の意を示す「紀念碑」、桜の花びらを思わせる「満天の桜」と「桜の絵巻」で構成された。
※当初、他二幕を予定していたが、花火の砲弾を搭載した450機のドローンが不良により飛ばず。

第一章「地平線 ー白い菊」  Photo:中島良平
第二章「白い波」  Photo:中島良平
第三章「黒い波」 Photo:中島良平
第四章「記念碑」  Photo:中島良平
第四章「記念碑」  Photo:中島良平
第五章「満天の桜」  Photo:中島良平
第五章「満天の桜」  Photo:中島良平
第六章「桜の絵巻」  Photo:中島良平
第六章「桜の絵巻」  Photo:中島良平

※以下は、実現しなかった残りの二章。

「Black Wreath」 Cai Studio ホームページ
「A Blooming Sakura」 Cai Studio ホームページ
「A Blooming Sakura」 Cai Studio ホームページ
イベントに備えたドローンたち 画像提供:33 Studio
イベントに備えたドローンたち 画像提供:33 Studio

効果・意図

  • 「この土地で作品を育てる、ここから宇宙と対話する、ここの人々と一緒に時代の物語をつくる。」

  • 「私は中国南東部の福建省で生まれ、小さい頃は台湾との関係で争いが日常的にありました。火薬そのものは戦争でも使用されるものですが、いっぽうで結婚式や葬式、子供が生まれたときなどにもよく使われており、自分の生活にとても近しい存在だったのです。火薬の文化や意味を幼い頃から認識していたと言えるでしょう。私の父親もアーティストであり、彼は墨を使って絵を描いていましたが、私にとってそれは『真面目すぎる』ものでした。だから私がアーティストになろうと思ったときは、もっと野生的で自由でありたいと望んだのです。そうしたとき、火薬は手に入りやすい素材だったので、作品に使うことはごく自然なことでした」

    • 「爆発のコントロールできないところ、不安感があるところに強い興味があります。爆発を通じて見えない世界や宇宙につながる感覚があるのです。白天花火は風が早ければすぐ流されてしまう。自然とのコラボレーションでつくるしかないのです。もし神の力が関与するならば、作品はもはやアーティスト自身をも超えてしまう。リハーサルはしません。人生と同じですね(笑)」

地域への影響

26日12時09分頃から、福島県いわき市四倉町で複数の通報があったほか、SNS上には爆発の情報が相次ぎ、一時騒然となった。
消防によると、消防車を出動させて付近を確認したものの火災は確認されず、目撃情報のあった煙は、四倉海岸で開催されていた昼花火のイベントによるものとみられる。

News Digest 「いわき市 四倉海岸の空がピンクに「満点の桜」 火災通報で一時騒然」
2025/1/1現在
xにて Photo: @maiayumio
xにて Photo: @an___non
xにて Photo: @kotakekakurega
xにて Photo: @MJarashijp

制作方法

※2025/1/1現在において、企画に協力した制作会社が特定できず。周辺企業としてあげられる業種は、特殊効果制作会社や花火総合制作会社。もしくは、作家のみで制作をしている可能性もある。


関連作品

  • いわき回廊美術館(SMoCA /Snake Museum of Contemporary Art) 」2013年  キュレーション:同作家

Cai Studio ホームページ
  • いわき四倉花火大会」 2023年8月

いわき四倉花火大会は、東日本大震災の犠牲者への鎮魂と、四倉地区の復興を願う想いから始まりました。毎年、この地で打ち上げられる花火は、地域の人々の心に深く刻まれる特別な瞬間を提供しています。夜空に約1,000発の花火が打ち上げられ、四倉海岸を幻想的な光と音で包み込みます。打ち上げられる花火一つ一つが、四倉最後の夏の風物詩として開催されます。

旅ナビネット 「四倉海岸に咲き誇る夜空の華 2024年いわき四倉花火大会」 2025/1/1現在

引用まとめ

  • 美術手帳 「蔡國強 宇宙遊 一〈原初火球〉から始まる」   2024/12/31現在

  • Tokyo Art Beat 「蔡國強が第二の故郷いわきで見せた満開の花火。いわき白天花火《満天の桜が咲く日》レポート」 2024/12/31現在

  • https://caiguoqiang.com/    Cai Studio ホームページ   2024/12/31現在

  • 旅ナビネット 「四倉海岸に咲き誇る夜空の華 2024年いわき四倉花火大会」 2025/1/1現在


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