【300字グルメ恋愛小説】もんじゃ焼きの神が降臨する
そこにいたのは教授と大学院生。ゼミの飲み会でもんじゃ焼き屋に行ったものの、誰も正しいもんじゃを知らなかった。
「もんじゃはいつ固形化するのでしょうか」
「は?」
事の顛末を聞き、私は呆れる。
「インテリが雁首そろえてもんじゃが固まるの待ってたわけ?」
大学院生の男の子は神妙にうなずく。
「もんじゃはトロトロのまま食べるんだよ! わざと生地を薄くひいて、カリカリになったのを食べたりもするね」
美味しさをイメージ出来ないのか、彼は首を傾げる。
「今度一緒にもんじゃ焼き屋に行こう。目の前で見せてあげるから」
「はい!」
ニコッと笑う顔を見て、お堅い彼をデートに誘えたことを、もんじゃの神に感謝する。