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1ルーム、1LDKなど単身者物件を2度と作らないと決めた理由。

世間の不動産投資家が作る物件はワンルーム(1K,1R系)、そして1LDKが大多数。
僕がそれら間取りを2022以降は2度と作らないと決めた理由。
大多数の投資家さんらに伝えたい、事業者としての側面を考えてほしいお話を今日は書いてみようと思います。


2017年に完成した新築RCの一室。1LDK40平米。一般的な間取りと設備。これから先に作る新築RCは厳しくなる一途、その理由は・・

不動産投資家の作る物件は基本つまらない。

この文言に集約されてしまうけども、不動産投資家ってのは、利回り基準だから、マンションでもアパートでも戸数を入れるのが大好き。
しかしながら、収益を最大化するとか言っておきながら、基本は満室想定でしか考えないし、単身者運用での回転率を考えないから、想定利回りは実現できないようなものです。

しかも新築は、完成直後が一番家賃も最大化できるところではありますが、
その場面で稼げないようになってきている事を、皆気づいているのではないでしょうか。

稼げない理由は、投資家目線で作られる物件は、1R、1K、1LDKがほぼ大多数だからであり、皆同じような物件しかない事から、供給過多で、完成しても半年は埋まらない状況になってきており、ADも出さねばいけませんし、家賃も変えざる得ない。

それら物件が供給過剰かどうかは、
そのエリアでの常時空室数を見れば一目瞭然です。
福岡市、福岡市近郊は既に飽和状態で、常時3万戸以上も空室がありますから、そこで同様の物件を作るというのは、誰ものものであるのかを考えると、ゼネコン、工務店、それを売る会社の利益の為であります。

投資家は利用されている側面もあると考えるべき、そんな時期に来てしまっています。これ、大都市圏全部に言える事です。

そんな投資家さんに作る物件ってのは、ほぼ言いなりの間取り、構成、設備、躯体構造だから、つまらない物件しか存在しないという事です。
はっきり言い切ってしまいまして申し訳ございません(^◇^;)

セミナーで使用した福岡市近郊含めた常時空室データ。みた人からは驚きの声がいつも聞かれます😅

近隣で過去作られた物件が新築にとっては最大の敵。だけど厳しい、その理由。

これまで自身の保有物件に関しても、単身者物件も相当作ってきました。それなりに安定した入居率を誇っていました。
それは全て、建築単価も安かったし、土地の値段も安かったから、賃料も適切な金額で貸し出せていた過去があったからです。

2022年中に完成させた投資家さんらの物件は、おそらくギリギリ安い単価で作られ、賃料も安くで貸し出せるくらいのポテンシャルがある物件であると僕は想定していますが(自己資金をいくら入れて、借り入れ利回りが幾らなどの実質的な部分は今回触れません)
これから、今から作る方々の物件というのは、RCに限って言うと(木造は別話)
融資利回り7%以上の金融機関最低基準を満たすほど
相当の自己資金を入れる必要が出てきていると感じます。
無理しないと作れないと言う事であり、その物件は家賃も高くなっています。
利回りを上げるには、家賃を上げるしか方法がないからです。

そのような中で作られる新築は、数年前に作られた近隣物件と何も変わらない、変化のない、つまらない物件が多いからこそ、過去近隣で安く作られた物件を相手にしての戦いは厳しい状況であると思います。

これも2016年に完成したRCの間取り。このような間取りが一般的すぎるようになり、僕は違和感を感じていました。

僕が世間で言う単身者物件を2度と作らない理由は。

大多数がそのような負のスパイラルに入ったからこそ、僕はそこに行かないし、もう2度と作ることはしません。
今、普通の1ルーム、1K、1LDKを作ったら失敗する地域というのは大都市圏ではありますが、郊外、それ以外でも厳しくなっているエリアは存在しています。

そして僕がそれら単身者物件を2度と作らない理由は明確です。
誰でも作れる物件に興味はなく、地域に本当に必要な住宅、間取りは何かを求めているし、差別化を持った単身者物件を作っても、ブランド価値に何ら寄与しない事を実感しているからです。 

次のブランド価値に繋がる開発を念頭に
もう2度と単身物件は作らない選択をしたということです。

大都市圏に限らず、世間の不動産投資家は単身者物件ばかりしか作らないからこそ、そこを無視し、誰も作れないレベルにチャレンジするんです。
ですから、2017年以前の物件は、全て売却を完了して、単身者比率を可能な限り低くしています。
世間の単身者賃貸がこうなることも予見していましたから、適切な時期に移行を始めたということです。

今後作る物件も入っていますが、単身者物件比率を54%から、15.8%まで削減しました。

とは言うものの、一般の投資家さんは単身者向け建設から始まるもの

僕の仕事としても、建築のサポートを行なっている方々も沢山おられますが、そのほとんどは単身者向け物件です。
その点においては、建築するエリア、構成を考えて最低でも35平米以上、駐車場つき、1LDKは+S仕様だったり、地域に必要な単身者層を想定したものづくりという部分を考えてゼネコンとプランニングしています。
それと、デザイン面、アイデアも入れるように対応しています。

時として同時竣工が多い地域であったりした場合、完成後満室というのは、難しい側面もあったりしますが、福岡市中心部は供給過剰を超えたラインですので、それ以外の地域で行うようにしおり、
福岡市、近郊で建設を行うならば、必ず最低2LDKを推奨しています。


2021に完成した1LDK45平米。アイデアと間取り、窓の多さなど、これまでの1LDKの概念を変えました。

単身者向けは、確実に独自性を持たねば、すぐに埋もれ、価格競争に陥る。

結論はこれなんです。
どうしても作りたいのならば、一生その建物から見える景観が損なわれないような場所を選ぶことや、存在感をデザインと内部の差別化ではっきり認知させることができるような、そのような差別化、独自性を持たねば、完成直後に埋まることは不可能でしょう。
遅くて半年、早くて3ヶ月は埋まらないと思います。(同一エリアで同時竣工があればその限りではありませんが・・・)

それでも埋まらないということは、失敗であります。
勧めた会社の言いなりになった結果であり、誰も責めることはできませんから
そこは学びとして受け入れることになろうかと思います。

偏見や勝手な意見の内容だと感じられると思います。
しかし僕が不動産投資業界で業者の言いなりになって、利回りに惑わされ、
作ることが目的になっている投資家を見ると、自分をもっと持ってほしいと感じることもあれば、世間の物件が埋まらない現状に、当たり前だと感じています。


1R40世帯マンションを作るなら、40個ある、トイレ、浴槽、キッチンを半分の
2LDK20世帯にして、より良い設備、間取り、工夫を凝らし
世間の2LDKが儲からないと誰が決めたか分からない話に従わずに
1+1=2.1〜2.3くらいの家賃で、いい物件を生み出し、地域に必要な間取りを
提供する数少ない事業者になってほしいものです☺️

そんな思考で取り組めることができれば
隣にどんな新築が建っても、意識する必要はありませんよね☺️


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