見出し画像

貸し駐車場という不動産投資のあり方。低リスクだが問題点も。

土地から新築アパート、マンション建設などを行う不動産投資家は無数にいるかと思います。
また、その反面、中古物件を土地値以下で購入し、将来建て替え、駐車場にするなどという考え方も不動産を活かした活用としての含みがあることも事実。

今回、自分の事業の中で、どうしても自社利用が必要になったことから、土地から新築駐車場運営をという不動産を活かした事業を構築し、実践した内容を
少し書いてみようと思います。

駐車場ビジネスの利点(土地から買うと言う視点)

駐車場にふさわしい土地を見つけた際の配置ですら自分で行います。

一般的な不動産投資は、土地建物があり、金融機関評価や、そのものの事業の過去の実例をもとに、融資貸し出し期間、自己資金といった定量評価を割り出し、合わせて、なぜ行うのか、どうしてその場所であるのか、その事業はどのように運営し、収益を上げてゆくのか、メリットとリスク、将来性など含めた、定性評価をも
稟議を上げる際にはしっかりと担当、支店長さんらが組み立てていかれます。
事業融資を受けるこちら側としても、全く同じ目線で物事を理解し、意思疎通をとり資料提供し、融資に望む基本姿勢が問われます。

この辺は、いつも口酸っぱく言っているからお分かりいただいていることでしょう。

土地から買うという駐車場ビジネスとなると、その事業の整合性、事業が成り立つ
その理由が最大の焦点ではないでしょうか。
土地を買って、整地し、駐車場事業として成立できるスキルもある程度必要になってきます。
そのエリアの近隣駐車場状況、貸し出し賃料、住宅事情、立地含めてリサーチも重要であることは当然です。

図のように、配置図を示すことで、いくつかの収益パターンをも構築していることも事業への本気度も示せることは可能でしょう。
(あえて金額も入れています)

正直言うと土地から駐車場ビジネスは利益は出せない

駐車場にふさわしい土地の形状と出口とは。

駐車場を土地から運営してゆく過程で、正直儲からないとはっきり言えることは
融資期間が限られているからです。
上物が無いことから、土地の事業用融資期限というものが設定されておりその期間は15年が上限です。
利回り10%程度であれば、返済(元金+金利)を済ませた上で、多少のCFはこのせますが(金融機関の貸出金利にもよる)
満車にしたところで、数万円の赤字経営となります。

では、なぜ赤字経営に対して金融機関は融資を出すのでしょうか。
既存ビジネスに密接であること、他の事業が補完するほどCFに余裕があること
そして、その土地の将来性と換価性に重きを置かれることが審査場重要であるからです。

その土地の駐車場ビジネスは赤字であっても、現在の取引相場が3000万円程度であった場合2300万円で取得すれば、既に含み益として700万円あります。
(ここで金融機関は、換価性的にメリットを上層部に打ち出します)
そして時が経てば、元金返済も進み、1500万などになれば、売却を通して3000万円で売却も出来、利益が出せる。建売会社と組み、建物セットで住宅ローンも貸し出すことまで想定させられる。 これは土地だけでビジネスができる醍醐味でもあり、逆を言うと建物がついていること、そうはいかないのです。
アパートなどは、投資家がメインターゲットですが、土地だけは一般の実需でも
いつでも流動性の高い販売が可能になるからです。

赤字でも融資が降りるのって、ある意味、土地貯金をしているような感覚を覚えておくと良いのでは無いでしょうか。(まさに、資産で資産を買うと言う観点)

意外と収益よりもメリットが大きい駐車場経営?

ガレージをつけると高額になるが利回りが取れる。つけないと解体費が売却時にかかってしまう

僕が駐車場経営を開始した理由は様々ですが、満車にする必要は当然賃貸物件と同じく急ぐ必要はあります。しかし、楽観視しておける理由として、上記に記したように、一部を分筆し売却を行えば、利益がそれだけで十分できるという判断と、駐車場の将来性をいろいろ鑑みてのこと。

ガレージも相当考えたけど、今回はガレージ建設はやめることにしました。当然登記の必要性もあるし、コストもかかる上、何らかの売却事項が生じた際に費用もかかってしまうからです。

売ること前提では事業用融資は引けませんが、時としてそのようなことは訪れる可能性だってあります。そこまでの運営上、メリットがあるとすれば、やはり建物がないことでしょう。

建物があることで起こりうる問題も生じないし、何より建物の固定資産税がない。
屋根などつけることもしなければ、造成費用などのコスト以外償却資産税もかかりません。あるのは取得時の不動産取得税くらいでしょう。

これから駐車場を安易に増やすことなどは考えていません。
しかし今回は利回り6%丁度を目処に事業策定を行い、5月末に土地決済し
今月土地整備も終わり駐車場が完成しました。

土地から買う駐車場は立地と将来性を見抜く力が必要

その土地を買う行為は、物件以上にその周辺に強くないと融資に結びつかないでしょう。どうして駐車場が成立するのか、どうしてこの台数なのか、広さなのか、そして将来の近隣の可能性を知った上での計画があると融資は比較的進みやすいものではないでしょうか。運営上、近隣理解も増えてきて、
近隣や、隣の土地が買えたりしたら、とても面白くありませんか?

そして駐車場が足らないような地域というのは数多く存在します。
そのようは目利きは、やはり地域を詳しく理解しているかどうかにかかっています。
見抜く力を養うには、物件を買うより、難しいかもしれないけど
貯金するなら駐車場がとても安全で良いのではないでしょうか。

なぜなら、土地建物は権利です。
消えて無くならないものです。
特に土地だけは別格です。

そこに真の事業性、思い、志、経験したことが表現されることが
融資、運営、近隣理解に通じるものであると僕は感じています。

皆さん、今日のお話はいかがでしたか?
僕が建物を建てずに駐車場を作るなど思われる人はいなかったと思います。
意外な一面かもしれませんが、これら起こりうることを想定すると
実は数十歩先の一手となることを最後にお伝えしておきたいと思います

いいなと思ったら応援しよう!

福岡の元中卒サラリーマン大家「続」不動産投資記録
サポートをいただける皆様には、質問や、思い、ご希望などありましたら、遠慮なくご連絡ください。 ブログ記事、何らかのサポートを検討したいと思います。まずはご希望をお聞かせください。今後もよろしくお願いいたします。