交渉力を高めるためには、どのようなスキルが必要か?
「交渉力を高めるためには、どのようなスキルが必要でしょうか」という問い合わせを受けることがあります。ビジネスには、いろんな場面で交渉する場面がでてきます。それこそ、ストレスの高い仕事です。ネゴシエータとか、タフネゴシエータという単語も聞きますが、日本語では交渉人という表現は馴染みのある単語ではないですね。文化的な背景があるのでしょうか。
今回は、交渉を有利に進めるための交渉術ともいうスキルについてご紹介していきます。
交渉の達人といわれる人の話を聞くと、交渉には、事前準備、タイミング、そして誠実な姿勢が重要です。
漫才の掛け合いのように
漫才の魅力の一つは、ボケとツッコミの相方との会話でしょう。
この場面が交渉術の場面といえるかは別にして、現在では法律問題や深刻な場面を和ませる話題に置き換えていく話術は、交渉術の過程を実践している場面だと思います。
ということは、以前から交渉というのは、武士の世界では当たり前でした。戦いの場面で必須の武器であっただけでなく、庶民の生活の場面でも、値段交渉や直談判という表現があるように定着した場面であったわけです。
上司と部下の関係を最適化する
交渉術を身につけることで、仕事を思い通りに進めていけるだけでなく、相手と良好な関係性を築いていくことができます。
交渉とは「相手との合意に到達することを目指して討議すること」を意味します。重要なのは、何かしらの目標に向けて、互いの意見や要求を主張して、最終的な妥協点をすり合わせることです。
上司と部下の関係も例外ではありません。
交渉の場面は様々
交渉と一口に言っても、いろいろな場面があります。
例えば、日常においては買い物がイメージしやすいと思います。
家電や家具を買う際に「いくらまで安くなりますか?」と自ら交渉したり、或いは誰かが交渉するシーンを目にしたこともあるのではないでしょうか。
ビジネスシーンの交渉においては、労使交渉、上司や部下・同僚との駆け引きから、クライアントとの本格的な取引条件の交渉までさまざまです。
日常生活でも、小遣い交渉、銀行との交渉、家賃交渉、ローン交渉など、 交渉する場面はいろいろな生活場面で発生します。
交渉に挑む際の心構え
交渉に挑む前に知っておきたい心構えを3つご紹介します。
勝とうとしない
交渉が上手い人は、「勝ち負けではない」という意識を持っています。
交渉を勝負ごととして捉えている場合、そうした姿勢や意識は相手に伝わってしまうものです。
自分の意見を一方的に押し付けたり、相手が「無理やり押し切られた」と感じたりしたのでは、その交渉は成功とは言えません。
勝ち負けではなく、双方が納得できる結論を探るという意識が大切です。
Win-Winとなる結果を目指す
「勝とうとしない」にも関連することですが、「Win-Winを目指す」ということも重要です。
相手に「負かされた」「こちらだけ割を食っている」といったネガティブな印象を与えてしまえば、関係性も悪くなってしまいます。
自分だけでなく、相手も「よかった」と思える状態を目指しましょう。
お互いが得られる利益の合計の最大化を目指す
やはり重要なのは「双方が得られる利益の最大化を目指すこと」です。
自分の提案と、相手のニーズが重なる部分が大きければ大きいほど、お互いの納得度も高まります。
相手にもメリットが十分あれば、ビジネスパーソンとして信頼関係を深めることもできるでしょう。
交渉上手な人に共通する姿勢
どのような心構えで交渉に臨むか、交渉上手な人に学びましょう。共通する姿勢は、3つあります。
1.しっかりと事前準備を行う
交渉上手な人に共通しているのは、「しっかりと事前準備を行う姿勢」です。時間的な余裕と精神的な余裕を確保し、十分に準備を行うことで提案の質を向上できます。
その上で意識していただきたいのが、相手の状況や関心ごと、立場などをおさえるということです。事前に交渉する相手の情報収集を行い、相手に響きやすい提案内容は何かを考えておきましょう。
想定外の展開になったときも、事前の準備があれば慌てず、落ち着いて対処できるものです。
2.交渉のタイミングを見極める
「交渉のタイミングを見極める」ということも、交渉を成功させる上で欠かせないポイントです。
例えば、上司の場合であれば、機嫌のよい日・悪い日をリサーチするなど、相手の状況や都合がよい時期を見計らいましょう。
「毎週火曜日は会議があって、あまり機嫌がよくない」「繁忙期になるとなかなか提案の時間をもらえない」など、相手のことを考えてタイミングを計算することが重要です。
3.誠実な姿勢で接する
誰が交渉の相手であれ、「約束は守る」「正直に話す」「ごまかさない」などの態度で接しましょう。
自分に都合の悪い情報は握りしめておくことは、姿勢や態度にも表れてしまいます。自分が気付かないうちに、相手からの信頼を損なうことになりかねません。常に、信頼関係を構築するコミュニケーションのひとつであることを意識して、交渉に臨みましょう。
基本的な取り組みのポイントについて窓目ましたが、決して奇抜な、驚くような秘訣はありません。
ただただ、愚直に誠実に、相手の立場を考えると相手の気持ちをつかむことができるのではないでしょうか。
感謝:表題画像は、メイプル楓 さんにお借りしました。
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