2. 人生最大の感謝
それから数時間後、目覚めると病室は真っ暗で静まり返っていた
いったい私は何時間眠っていたのだろう?
おそらく消灯時間はとっくに過ぎているはず…
あれ?
身体の感覚がさっきより、ずいぶんとスッキリしているのがわかる
そうだ、私は手術をしたんだっけ…
傷の痛みは全くといっていいほど感じなかった
それより、私の身体は動かすことが出来るんだろうか?
ゆっくりゆっくりと、少しずつ指を動かしてみた
右手の指
左手の指
ひとつひとつ確認してみる
次は腕
肘
肩
やったー!ちゃんと動いてくれた!
じゃあ次は足を動かしてみよう
右足の指
左足の指
ひとつひとつ、ゆっくりゆっくり…
次は膝を曲げてみよう
次は首を動かしてみよう
自分の力が戻ったと確認できた時、私は嬉しさのあまり号泣した
私は生きている
声を出すこともできる
自分の意志で身体を動かすこともできる
それまで気付けなかった
こんなにも有難いことだったなんて
続く