昨今注目されるEBPMとは?
はじめに
みなさん、こんにちは!学生インターンの高桑です。
昨今、EBPM(証拠に基づく政策立案)の取り組みが推進されています。昨年度、GEOTRAは数々の企業様や官公庁様とお仕事をさせて頂きましたが、会話の中で、“EBPM”の登場回数が従来よりも格段に増えた印象を受けました。今回の記事では、EBPMについて、ご紹介させて頂きます。
EBPMの定義と必要性
“EBPM”という言葉をご存じでしょうか。
EBPMは、Evidence-Based Policy Makingの略です。日本語では、証拠に基づく政策立案と表現されます。
内閣府は、EBPMを、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすること、と定義しており、昨今注目されています。
東京大学公共政策大学院院長/経済・財政一体改革推進委員会委員を務める大橋弘氏は、EBPMに対する注目度が高まった要因の一つとして、「新型コロナウイルスの感染状況が日々刻々と変化する中で、感染状況を的確に把握し、それに基づいた政策が必要であるという認識が社会全体に浸透したことが、EBPMに対する注目度の上昇につながった」と指摘しています。また、現状が反映された政策への意識の高まりにより、行政及び企業もEBPMに言及、また活用するようになりました。
社会のニーズに応えていくためにも近年の急速な社会変化に対して、従来のような経験則や主観ではなく、客観的な「エビデンス」に基づいた事業推進を行っていく必要があります。
どのようにEBPMに人流データを組み込むか
EBPMに留意した事業推進を行うためのサイクルとして、「ロジックモデル」が利用されています。ロジックモデルとは、政策・事業の実施により、目的が達成されるまでの因果関係を明示するものです。以下は、ロジックモデルの流れです。
ロジックモデルの一例として、内閣府による途上国の教育問題の解決に関する例をご紹介します。大前提として、ロジックモデルの各要素において、事業目標と整合していることが重要となります。
また、人流データの活用事例として、例えば、まちづくりや再開発、観光分析を行う場合、ロジックモデルにおける①計画フェーズにおける施策の妥当性(現状分析・仮説➡インプット)、②評価フェーズにおける施策実行後の効果(アウトプット➡初期成果・中間成果)を示す、合理的根拠(エビデンス)を提供することができます。
人流データ利活用の活発化
新型コロナウイルスの感染拡大を発端とするEBPMに対する注目度の増加に伴い、人流データを活用しようという動きが拡大しています。例えば、国土交通省は、令和4年度に携帯電話の位置情報データを活用し、交通課題の解決を目指すモデル事業の公募を実施、人流可視化ツールの公開、人流データ利活用拡大に向けたシンポジウムを開催する等、取り組みを進めています。
最後に
本記事では、EBPMについてご紹介させて頂きました。他記事でも、ユースケース事例紹介も行っておりますのでそちらも合わせてご覧ください。
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