Audible「40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか - 中年以降のキャリア論 」

2024年の私の関心ごとは、就職氷河期世代が、それなりにどう自分を傷つけないで、自分を抱きしめて生きていくかということ。そういう意味から、この本は大きなヒントをくれると期待した。

「思うようにならなかったけれど、おもしろかった」がキーワード。


だが、前提が違っていた。
まともな就職ができて、上に行くはずだった人が「何者にもなれなかった」という認識。となると、そもそもまともな道に立つことすらできなかった私には、雲の上の話に聞こえてくる。

イラっとしながらも最後まで聞いたのは、「普通」の人が何を考えているかを知りたかったから。わかったのは、人間いちど「期待」できる立場になり、それに慣れると、自分の期待から外れたときは弱いということ。会社の中で上に行けなくても、そこは生活に必要なお金を稼ぐ場所と割り切っちゃえば、いくらでもあなたの能力や存在を必要としているところはあるだろうに、あきらめてぐずぐずしているのもったいないなと思う。

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私自身が、10-20代の時は本当につらかった。
 大学~就職後は「変わった子」として扱われ、自分自身がズレているとはわかるが、どうすればよいかがまったくわからなかった。
 その後、転々としながら、私でも居てよい場所を見つけ、今に至る。普通にしていたら稼げたであろう賃金を稼げなかったという機会損失を後ろめたく思う気持ちはある。だけど、生きていくのに必要なくらいのお金は稼げて、心穏やかに生きられる場所にいるという自覚はある。

「何者にもなれなかった」って、誰がどう決めるんだろう。
なにか成し遂げたかったら、それをできるフィールドを探せばいい。
今の世界では普通の能力でも、違うところに行くと重宝される。
必要とされると、頼られると嬉しいから、もっと頑張れる。
そうやって新しい自分の能力に出会っていく。

そんな好循環をつくれればいいんじゃないかな。
「何者にもなれなかった」ではなく、「何者になったか」を言語化すればいいだけの話しだよな。

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