展示感想: 〈壊れつつある〉Gallery FACE TO FACE・新年のグループ展 40 Artists New Year Group Show 2024+ ー PART2
PART2は、年があけて少し時間がありました。
北陸の地震から始まり、羽田空港での衝突事故、レバノンでの爆発。これでもか、これでもかというくらい、日常が壊れていく様が現れていました。
井澤由花子さんは、今回のグループ展に向けて作品を準備していたようですが、年明けの悲惨な事件に影響され、新たに作品を作ったようです。
大地の動揺、崩壊という二つの負に挟まれて、あえて残る実感は、大きな空虚に飲み込まれかねないわたしの有かもしれません。
普段はドローイングの作品の櫻井さんですが、今回は紙粘土の作品を一品出されています。
the kissという作品ですが、背中合わせで向き合わない二人というのが、プラスにならないマイナスのようで、不思議な雰囲気です。
タイトルの画像は、「NERUKO」で、ガチャのカプセルにいれてある毛布にくるまれた嬰児をもした陶芸作品です。
親ガチャという言葉が流行っていますが、運命のガチャ、今、まさにガザ、ウクライナをはじめとする戦禍に巻き込まれた子どもたち。廃墟というマイナスの地で、毛布が与えてくれるわずかな温もり、松田さんは、奪われながらもせめて残して欲しい想いを表しているのでしょう。
うれしくない年明けのマイナスを目にしつつ、失いたくない何かが、それぞれに表現されているようです。
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