展示感想:翁素曼「異国の思い出」会場:新宿小田急百貨店10階アートサロン
翁素曼さんの個展「異国の思い出」行ってきました。
絵画、彫刻、陶芸と、彼女のさまざまな取り組みが表れている展示でした。
さまざまな視点からの世界が乱雑に組み込まれたように見える立体作品は、つげ義春や、横尾忠則、水木しげるの描く枠のなかの空間が、立体として表現されているかのようでした。
日本人の作家の表現は、非常に綺麗にまとめられていることも少なくないのですが、彼女の作品は、不思議な抜けのようなものがあります。それは、昔よく見かけた古いビルの中の居酒屋やピンク系の店が並ぶ通路の感じがしました。
ひとつの物語に、要素を配置するのでなく、それぞれの物語が、ひとつの場所に集まって、新しいものを生み出すというのは、大陸的な異国の伝統かもしれません。
小さな空間でしたが、興味深い展示です。22日までですから、立ち寄られといいかと思います。