見出し画像

画廊に行くようになって気がついたこと その63


版画のグループ展に行って銅版画の方と話をしたのですが、そこから、〈線〉についての話になりました。

その人は、絵の具を使って絵を描くことから、鉛筆画やペン画へと進んでいくのですが、銅版画に出会って、線を目標として、銅板を刻むというか、溝を彫ることに魅せられたようです。

僕らの使っている漢字の源は甲骨文字ですが、これは占いに使った動物の骨の裂け目です。

線というものが、そもそもあって、それを描くのではなく、線というのは限りなく人工的なものなのでしょう。

イラストを主にしている方が、あまり上手い線をかかないように工夫していると言われたことがあります。その人がいう上手い線というのは、学ばされた結果で、自分の気持ちから離れていくということもあるのかもしれません。

技法と出会い、その中に自分を見出していく、アートの創造性は、そんなところにもあるのかもしれません。


いいなと思ったら応援しよう!