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展示感想:「面の界」ギャラリー桜の木企画
ギャラリー桜の木企画の「面の界」行ってきました。石見神楽、高千穂神楽、南部神楽、里神楽と、四つの地域の神楽の神楽面を作る面打師が集まった企画で、おそらく初めての試みかと思います。
石見神楽からは、惠木勇也氏で、石見神楽面は、石州和紙を使って神楽面を作成します。基本的に、軽く柔らかいものになりますが、乾漆像に近いものかもしれません。
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細かい操作がしやすい特徴もあるのでしょう。眉などは、一筆で描き切るようで、修正や直しはしないそうです。
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天岩戸伝説にゆかり深い高千穂神楽からは工藤省悟さんです。高千穂神楽面を制作する唯一の工房、「天岩戸木彫」の四代目です。高千穂の夜神楽は、天岩戸伝説の手力雄命と天鈿女命が登場しますが、その面は勇壮さと、優美という対照的な二つの面です。
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その木彫の重荘かち、優美な様は、扶桑の国を象徴するような朴訥さを感じます。
南部神楽は佐藤高広さんです。佐藤さんとは会えませんでしたが、南部神楽面の雰囲気は、どこか、関東の里神楽に通じるところがあると思います。文化の伝搬、影響を考えるに面白いと思います。
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関東地域の神楽、里神楽からは田中俊成さんです。
田中さんの面は最近深みが出てきたところです。
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今回の企画に参加したことが大きな経験と自信につながってくれたらと思います。
最後に、今回はクリエイター集団「WOW」、および ねぷた表現師も参加されています。ねぷたの表現を利用した展示は、木と紙によってなるこの国の文化をよく表現しているようにも思いました。
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12日までですが、時間が取れるようなら行かれると良いかと思います。