画廊に行くようになって気がついたこと その59
陶芸は、窯で火にさらされ、版画は、プレス機で圧力を加えられる。それが思いがけぬ作用を導いてくれることに、面白味もあり、深みも生まれます。
ただ、僕らは結果しか知りませんが、作り手としては、その変化がむずかしくもあり、たまらなくもあるのでしょう。筒井さんの作品は、土の感覚が残る焼き物ですが、それがユーモラスな造形と作用し合う魅力があります。ここに至るまでいくつもの試行錯誤を繰り返したのでしょう。
白木千華さんの作品は御伽噺のような可愛らしさがありますが、焼き物では、釉薬が発色しますが、部分的にわずかなムラもできます。
デジタルプリントにない不完全さではありますが、その隙間こそ、絵本のような、どこにもないけどある、あるけどやはりどこにもない世界を語ったくれます。