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展示感想:Gallery Face to Face企画、43 Artists New Year Group Show 2025 “Perspective”PartI<立体的な地形モデルのように>

Gallery Face toFace企画、43 Artists New Year Group Show 2025 “Perspective”PartI、行ってきました。
Perspective、遠近法、一点透視図からきてはいます。視点から開けた風景、そして、知性的な見通しもたとえとしてつかわれたりします。展望もあります。

今回の参加作家は、以下です。それぞれの展望が楽しみです。

伊藤 加織 今井 淳 カワムラナナ 北嶋 勇佑 栗本 佳典 黒石 美奈子 坂本 麻由里 樹乃 かに 高橋 岳人 田中 玲子 千川 裕子 内藤 瑤子 長沼 翔 濵田 路子 林 明日美 松本 みさこ 村瀬 都思 山内 康嗣 吉田 一水 NaNaHa Römell

絵画は、二次元、平面として、語られますが、マチュエールを利用しながら凹凸を表す表現にも興味惹かれます。

艶をもつ段差のある平面は、まるで、地中の鍾乳洞の壁にあらわれたようです。まるで、忘却の中から浮かびあがった忘れてはいけなかった過去のようでもあります。

NaNaHaさんの作品は、写真をもとにしたパネルを立体的に組み合わせることで、風景のなかに潜んでいる多元性を表しているのでしょう。
 それぞれの視点からのperspective、それが混ざり合って、ひとつのあらわれになる、そんな揺さぶりを感じます。

カワムラナナさんは、画面に流れ込む流動体の表現です。

現世の意識の中に流れ込む、どこかからの意識がよくあらわれているように思います。


自分のもつ意識のperspectiveに対する疑い、その安住できなさがよくあらわれているようです。


この意識や形への侵犯には、ある方向、ベクトルの志向性があることが、興味深いところでもあります。


一枚の地図が、工夫され、色彩が付けられ、具体的に段差をもたせた立体的な地図表現、それは段差といいながら、自ずとさまざまな視点の可能性、選択性を表しています。

 アート表現で、それは、ともすれば、わたしと他者にとどまらず、現在と未来、忘却と記憶など、時空の段差にも繋がっていきます。
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前回の感想です。展示紹介もまとめて添付しています。



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