画廊の楽しみ方ーーなんで画廊に足を運ぶのか(33)
日本の美術文化は、西欧とは、かなり違うと思っておいた方がいいようです。以前も触れましたが、パリには貸し画廊というのがなかったそうです(最近、あるようですが)。
作家は、美術品という〈商品〉を生み出す〈工房〉もしくは、〈工場〉で、それを仕入れて、市場に流すのが〈画商〉というふうに考えた方がいいかもしれません。
極端なことをいえば、〈工房〉のなかで、誰がどのように作業をしていても、かまわない文化かもしれません。〈工房〉の名前と信頼が、守られれば、いや高められれば、いいともいえます。
日本では、かつての伝統工芸のあり方が近いかもしれません。
普通の人が思い立って、絵描きになるなんて話は、まず、信じがたいようです。
美術の本場は、向こうでしょうが、どちらがいいとは、いえるものでは、ありません。